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2009年 02月 22日

超短編パロディ小説『吾輩は犬である』

吾輩は犬である。名前はもうある。
何でも薄暗いじめじめした所で、
ワンワン泣いていたことだけは記憶している。
それでもちゃんと血統書だけは付いている。

吾輩はここで始めて人間というものを見た。
しかもあとで聞くと獰悪(どうあく)なブリーダーだった。
その後、買われていった家族の待遇も酷かった。
そこでは、吾輩がオスだというのに、
あまりの毛並みの美しさに惑わされて、
「Lady(レディ)」という名をつけられてしまった。

子犬のころは、ダイエットに励む奥様とよく散歩を
したものだった。
家人みんなから、まさに「猫っ可愛がり」
されたのだが、いつのまにか玄関脇の
小さな小屋に繋がれ放しになってしまった。
散歩にも連れて行ってもらえない。
食事も味気ないドッグフードのみ。
あの眩いばかり美しかった毛並みもまるで野良犬だ。

それがなにを思ったのか、ある日から屋敷犬として
家人たちと一緒に過ごす家の中に入れてもらった。
しかし、躾というものをちっともしてくれなかったおかげで、
家中、辺り構わずクソやらシッコを垂れまくっている。
そんな粗相をしてしまうと、いかにも悪人面した
ご主人様が、吾輩を虐める。
だからヤツが油断したとき「ガブッ」と指を
噛んでやる。
この家にいるオスは吾輩とご主人様だけなのに、
どうしても仲良くなれない。

ゲージに閉じ込められるたびに「Why(ホワ~イ)?」と
間の抜けた大アクビをしながら考える。
「Gentleman(ジェントルマン)」って
名前にしてくれていたら‥‥と。

by don-viajero | 2009-02-22 08:40 | 超短編小説 | Comments(2)
Commented by Lady at 2009-02-23 01:02 x
正月にviajero 様が躾に暴力は逆効果だよって言ってくれたおかげで先日、悪人面のご主人の指を「ガブッ」っとやった時も鞭打ちの刑にあわなくてすみました。
しかし、最近笑顔で手招きするので近づいて行ったら鼻先に屁をかけられました。
犬の嗅覚が人間の何万倍もあるっていうのをご存じだと思いますが、特に便秘気味の奥様の屁の臭さと言ったらこの世のものとは思えません。
やはり私は外で飼われていた方が良かったのかもしれません。
Commented by DON VIAJERO at 2009-02-23 20:16 x
こんばんは!まるでオスみたいなレディー‥君?!
手は出さないが、空気噴射虐待されてるんですか!
私も幼いころは、便秘に悩み(今はその逆ですが‥)、
親父が衛生兵だったこともあり、石鹸水を入れた
ブッとい注射器(もちろん針はついていませんよ!)で、
あそこに注入されたもんですよ!即、下痢症状でしたね!
この話、よ~く伝えておきますね!
二人でしっかり突っ込み合いっこしてくれってね!
それから、今度逢うときには、お土産で、
私の使っている毒ガス用マスク持って行ってあげるね!




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