陽気なイエスタデイ

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2009年 04月 11日

容姿

今年は松本清張生誕100年だそうだ。
推理小説をあまり好んで読まない私でも、
『短編‥‥集』等に紛れ込んでいる
氏の作品はときどき拝読する。

軽薄な番組ばかりやっているテレビ局でも、
これに併せて氏の作品のドラマを放映する。
今夜、放送の短編小説『駅路』は脚本・向田邦子とあって、
見ごたえのあるものになっているのではなかろうか。

氏が短編『鉢植えを買う女』に登場させている
一人の女性をこんな形容で表現している。

-上浜楢江は、三人の中で一番体格が良く、
 一番縹緻(きりょう)が悪かった。
 彼女は、一重皮の鋭い眼と、肥えた鼻と、
 大きくて厚い唇とをもっていた。

まるで、手鏡で作者自身の顔を丹念に
描いているようである。

日本には古来「痘痕(あばた)も笑窪(えくぼ)」
というすばらしい言い方がある。
まぁ、活字のなかだけで登場人物の特徴を、
強烈なまでも印象付けようとすれば致し方ないのか。
しかし、少しばかりの表現で読者だけの想像を
かきたてる手法も良いような気もするのだが‥‥。

不断の会話のなかで、相手からこんな表現をされたら、
たまったものではない。
当の本人でなくとも不快な思いになることは必定だ。

「蓼(たで)食う虫も好き好き」であり、
「人のふり見て我がふり直せ」である。

by don-viajero | 2009-04-11 08:43 | | Comments(1)
Commented by riojiji at 2009-04-21 17:07 x
清張は、かなり自分の容姿にコンプレックスを持っていた様です。
俺は、かなり自分の髪にコンプレックスを持っている様です・・・・。


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