陽気なイエスタデイ

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2009年 06月 23日

超短編小説 『同業者』

ゆっくりドアのノブを回してみた。
-あれ?開いている???-

懐中電灯の心細い明かりだけが
揺れるリビングまで、
そう~っと足を運び電気のスイッチを押した。

「ヒッ!」
そこには、包丁を握り締めた男が、
まるで、鳩が豆鉄砲でも食らったような
顔をして立っていた。
「あっ!泥棒だ!」

男は震える両手に包丁を構え、
「か‥金・を・だ・せ!」
「お前さん!なにをそんなに震えているんだ!
 入り込んだ家を間違えたみたいだな!」
「な‥なんだとぉ!」
「俺は現役の刑事(デカ)だし、
 ほれ!そこの賞状やトロフィーを見ろ!
 そんな包丁一本だけで、
 柔道六段を相手にするのか?」
「ヒェ~!!!か‥勘弁してください!
 未遂ですし‥アワワワワワ‥‥。」
と言い終えるが早いか、
男はすばやく走って出て行った。

-まったく、最近のコソ泥は下調べもしないで、
 いきなり忍び込むから困ったもんだよ!-
そう呟きながら金庫のダイヤルを回し始めた。

by don-viajero | 2009-06-23 20:19 | 超短編小説 | Comments(1)
Commented by riojiji at 2009-06-30 20:03 x
あの~~~。
これ 星一つ!

失礼しました・・・


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