2009年 09月 03日
二階の窓から見渡す田圃もだいぶ黄ばんできた。 稲刈りを待つ、たわわに実った稲穂は、 その頭(こうべ)を垂れ、安曇野を渡る爽やかな 風に揺られ、擦れ合う音は交響曲を奏でているようだ。 先日、あぜ道でチョコチョコ飛び跳ねている 小さなイナゴを見つけた。 稲刈りが済んだあぜで、母とよくイナゴ捕りをした。 木綿の手ぬぐいを袋にし、そのなかに次々と入れる。 ゴソゴソ袋のなかのイナゴが騒ぐ。 幼い私の鼻は、母が作ってくれるイナゴの佃煮の 匂いで満ち溢れていた。 海を持たない我々にとっては、貴重なタンパク源だった。 稲の害虫であるらしいが、それによってコメの収穫量が 落ちたという話は聞かない。 お蚕さんのサナギも食卓によく上った。 今でも、スーパーで『絹の花』という名で売られている。 熱いご飯に合い、特に弁当に入れると美味しい。 今年は雨が多かったせいか、蜂の巣を見ない。 アシナガバチはおろか、スズメバチの巣も見当たらない。 昨年は、夜陰に乗じ二個も捕った。 その後、とてつもない大物を狙ったときには、 見事に眉毛付近を刺され、あっという間に‘お岩さん’に なってしまったが‥‥。 ただ、同じ信州に住んでいても、伊那谷で食べられている 『ザザムシ』だけは口にしたことがない。 私の範疇では、あの虫は魚釣りの餌であり、 食べるものではないのだ。 昨年訪れた内陸国ラオスの市場では、食用として カエル、ネズミ、ヘビ、果てはコウモリまで売られていた。 また、屋台のおっちゃんが勧めてくれたゲンゴロウの 串焼きは、いかな私でも食指を動かすまでには 至らなかった‥‥。
by don-viajero
| 2009-09-03 20:39
| 男の料理
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