陽気なイエスタデイ

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2009年 09月 23日

超短編小説 『赤い糸』

私と彼とは、生れたときから『赤い糸』で
結ばれているんじゃないかと思っていた。

あるグループのコンサートで隣り合わせたのが
きっかけ。
-運命の出会いってあるんだ!-
ず~っとそう思っていた。
あらゆる趣味やフィーリング、音楽まで
すべてが合っていた。
ただ一人のロックミュージシャンを除いては‥‥。

いろいろ手を尽くし、私の大好きなそのミュージシャンの
コンサートチケットを二枚手に入れた。
どうにかして彼をあの魅力の虜にさせたかった。

不承不承の彼を連れ立って行った。
会場はものすごい数の観客でいっぱいだった。
人波に押され、私は彼とはぐれてしまった。
必死になって、私と彼との小指に結ばれて見えない
『赤い糸』を頼りに探した。

ところが、どうにかして『赤い糸』を手繰り寄せた先は、
カッコいい見知らぬ男性の小指に繋がれていた。

-新しい恋が始まるのかもしれない?!-
真夏の夜のコンサートだった‥‥。

by don-viajero | 2009-09-23 19:50 | 超短編小説 | Comments(0)


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