陽気なイエスタデイ

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2009年 11月 09日

熊の岩

富山から毎年コシヒカリの新米を送ってくれる豪農の友がいる。
学生時代、何度か山を供にしたK氏だ。
宅配便で届けられてくるダンボールを開けると、必ず、いつも同じ
文面の用紙が一枚挿まれている。

しかし、今年は違った。その下にもう一枚あった。
プリントアウトされた山の写真とともに、
今年8月下旬、単独で剣・長次郎谷から入り、
『熊の岩』ビバーグ。剣岳へと綴られた山行記だった。

高校時代、山岳部に入部して初めて手にした
アルパインガイドブック『北アルプス』(山と渓谷社)。
この表紙を飾っていたのが長次郎谷の『熊の岩』だった。
いつかはここへ行こうと心に決めていた。

高三の夏(1971年7月末)、山岳部として現役最後の
涸沢合宿を終え、単独で『熊の岩』を目指した。
それから三年続けて、この岩の上でたった一人で数日間過ごした。
’74年9月初旬、K氏らと登った源次郎尾根・八ッ峰山行を
最後に訪れていない。

『熊の岩』は八ッ峰を登攀するクライマーたちの聖地だ。
周りを岩また岩に囲まれ、下界の光がまったく視界に
入らない世界。夜になれば手が届くほどに煌く満天の星。
朝日に燃える八ッ峰や源次郎尾根。
そして、夕日に染まる後立山連峰の山々。
見上げれば、長次郎谷最奥部に鎮座するジャンダルムや剣岳本峰。
こんな贅沢な山の景観美が他にあるだろうか?
と思わせるに十分な絶景だ。

K氏の文面の最後にはこう記されていた。
「また、一緒に行けたらいいですね。」
-元気なうちにぜひ行ってみようかな?-
気持ちが昂ぶり、38年前の感動に酔いしれていた‥‥。
f0140209_15155729.jpg

               【熊の岩】
   (岩の上にポツンとある小さなツェルトが見えるだろうか?)

by don-viajero | 2009-11-09 20:43 | | Comments(0)


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