陽気なイエスタデイ

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2009年 12月 02日

超短編小説 『告白』

穏やかに打ち寄せる波の音。
一つとして同じ波はない‥‥。
どのくらいの人々が、この渚で出会い、
別れを告げたことであろうか‥‥。

夏の盛りも、とうに過ぎた静かな海辺を、
一組の若い男女のカップルが歩いている。
男のほうは、いくらかうつむきかげんに、
ゆっくり歩をすすめる。
まるで、足元まで寄せてくる波に意を決するかと思えば、
泡に紛れて去りゆく想いを消され‥‥。

女は、少しばかり間を空けて、
キッと男の背を見つめている。

突然、男が踵を返し、振り向く。
そのおどおどした眼差しは、女の的を射すような
瞳を捕えていた。

「すべてお話しします‥‥。」
充分に海水を含んで湿った砂地に、
ぽつんと男の言葉が落ちた。

「そうですか‥‥。
 ようやく話してもらえるんですね!」
女刑事は、そっと男の手首に手錠をかけた。

by don-viajero | 2009-12-02 20:15 | 超短編小説 | Comments(2)
Commented by riojiji at 2009-12-05 07:48 x
最後の
「そうですか‥‥。
 ようやく話してもらえるんですね!」
これの「!」マーク・・あると無いとではこの女刑事の心情が
変わってきますね。
う~~~~ん。久し振りの星評価!
星 一つ半~~~            失礼いたしやした。
Commented by DON VIAJERO at 2009-12-06 07:33 x
最近、閃きが乏しいかも???

なかなかいい作品ができまへ~~~ん!

しばらく「超短編・・」はお休みかな?


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