陽気なイエスタデイ

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2010年 01月 01日

33年前の今日‥

昨日から降り続いた、今シーズン2度目の雪も止み、
大地は真っ白に覆われ、静寂を伴って新年の朝を迎えた。
毎年、暮れに届く、知人の打ち立ての美味しい蕎麦を食べ、
いつもの毎日と変わりなく、10時前には床に入り、
私たち仲間が育て、収穫し、餅つきをした餅で雑煮を戴く。

33年前の今日は‥‥。
イラン・メシェッド(現在はマシュハドと表記)にいた。
前日の日記から、
-12月31日(金)
 昼の12時ごろ、雪混じりのメシェッドに着く。とりあえず宿を
 探そうと、3時間ほど歩き回ったのだが、どこも満員で断られて
 しまう。仕方なく、コンクリートむき出しの建築工事中ビルの
 冷え冷えした一室にツェルトを張り、宿とする。大晦日、まさか
 こんな夜を過ごそうとは思ってもいなかった。一袋だけ、日本から
 持って来たインスタントラーメンで年越し。こんなにも即席麺が
 美味しかったと感じたことはなかっただろう。
 ローソクの灯り、一人静かにツェルトの中にいると、どこかの山を
 想い出す。誰も知らない、こんな遠くの街で一体何が楽しいんだ。
 何とも惨めったらしくなってしまう。いや、今の俺には晦日も正月も
 ないんだ。旅をしているんだ。辛くとも一つ一つの出来事が
 楽しく終わらなくっちゃ‥‥。1976年、さようなら‥‥。-
-1月1日(土)
 寒かった。とても寒い年越しをしてしまった。7時、ツェルトを
 たたみ、アフガニスタン領事館へ向かう。明日から通常業務が
 始まることを確認。暖かな朝日を浴び、道端に座り込んでいると、
 テヘランのアミア・カビール・ホテルのドミトリーで同室だった、
 アメリカ人のグレイクが歩いてきた。今朝、この街に着いて
 ホテルを探していたそうだ。やはり、どこも断らてしまい、
 途方に暮れていたとのこと。一緒に探すことにする。
 あちこち尋ね歩いても、どこも満室、満室‥‥。そんなとき、
 目に飛び込んできたインフォメーションのドアを叩いた。
 そこで、ラッキーにも一室だけ空いているホテルを紹介された。
 二人で240RL≒960円(当時、$1=240円)。すばらしく安い
 宿が見つかった。早速、インフォ近くのホテルへ行く。
 二人とも酷く疲れ切っていたので、そのまま、寝正月を決め込む。
 何故、どこのホテルも満室だったのか、このホテルの前にきて
 解った。今日はイマーム・レザーの祭典(イスラム暦のため
 毎年変わる)。イラン中のイスラム教徒が、このメシェッドに
 集まって祝う祭りだったのだ。男たちは黒い服を身に纏い、
 歌を歌ったりして市内をイマーム・レザー廟に向けて行進し、
 女たちもその横を、やはりチャドりを被って歩いてゆく。
 夜はグレイクがテヘランで買ってきた日本製の鮭缶にパン。
 それに自分が買い置いたオレンジで豪勢な?正月料理だ。-

ハプニングもエキサイトもなく、とりたてて何の変わり映えもない正月。
それでも、静かで平和な正月だ。

 

by don-viajero | 2010-01-01 11:08 | ◆旅/全般◆ | Comments(0)


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