陽気なイエスタデイ

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2010年 02月 21日

超短編小説 『日本語』

時は2040年‥‥。

「あんたさァ~!知ってるゥ~?」
「なにがァ~?」
「今度さァ~、変な日本語使ってるとさァ~、
 罰金、取られるんだってェ~!
 アタイらの日本語ってさァ~、
 変じゃねェ~よなァ~。
 そんな法律ってさァ~、超ムカつくじゃ~ん!」
「そう、そう!マジ、ウザイよなァ~!」
「っていうかさァ~、マジ、ヤバかねェ~?」

中年に差し掛かってきた、派手目の二人の婦人は、
若いころのような、キャンキャンとした大声ではなく、
辺りに悟られるぬよう、小声で会話をしていた。

はっと気付くと、二人の背後に若い女の子。
「おば様たち!
 わたくしが正しい日本語を教えて差し上げますわ!」
やおら襟を正した片方の婦人、
「じゃァ~、なにかい?アタイらの日本語は
 正しくないのかい?」
「そうですとも!そんなぞんざいな物言いを
 いつまでも使っておられれば、そのうち、
 罰金刑が下りますことよ!」
もう一人の婦人、大声を張り上げ、
「なんて、ムカつく言い方!あったまきちゃうゥ!」

若い子は胸からそっと手帳を出し、
「はい!それでは刑法第〇〇〇条。日本語乱用罪で、
 罰金一万円のキップを切らせてもらいます!」

by don-viajero | 2010-02-21 19:32 | 超短編小説 | Comments(0)


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