陽気なイエスタデイ

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2010年 05月 12日

超短編小説 『魔法のランプ』

ガラクタ市で、古びてはいるがどこかとっても
上品なランプを見つけた。

すっかり綺麗に磨き上げ、灯油を入れて火を灯すと、
黒い煤のなかから、ボァ~っと大男が現れ、
「私のランプを綺麗にしてくれてありがとう!
 お礼にアナタの願い事を三つ聞いて差し上げます!」
「まぁ!素敵!私、お金が欲しいわ!」
「あいにく、いま持ち合わせが無いんだ‥‥。」
「それじゃぁ、お金持ちの彼氏が欲しいな‥‥。」
「そんなのは、ご自分でお探しなさい!」
「なによ!一つも聞いてくれないじゃない!
 それなら最後に、いつまでも老いの来ない
 若さを頂戴な!」
「はい、はい、そんな若いまま長生きしたところで、
 碌なことはないですよ!あきらめなさい!」
「アナタ、本当は願い事なんか聞いてくれないんでしょう!」
「いいえ、私はアナタの三つの願い事は聞いてあげましたよ!
 聞いてあげても、叶えてやるとは言っていませんからね!
 人間とは、何と欲深い生き物なのだ!」

そう言うと、ス~っと姿を消してしまった。

by don-viajero | 2010-05-12 20:14 | 超短編小説 | Comments(0)


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