2010年 07月 20日
想い出を語るとき、そこに描かれているものは、 辛うじて関連したものがアルバムに残されていれば 別ではあるが、ほとんどはセピア色のものでしかない。 白黒写真しかない遥かに昔のことであれば、とうに 色褪せてもいる。 ただ、いくつかの思いを浮かべるとき、一瞬ではあるが 鮮やかに色付けられるものもあることも確かだ。 それが楽しいものであれ、哀しいものであれ‥‥。 年々不具合の増していく、軸のゆがんだ荷車のような 脳みその奥に、そこだけ少しも老いることのない無防備で 柔らかな部分が残されていることに気付く。 「陽気なイエスタデイ」の記憶ばかりが甦ってくるわけ ではない。相前後しての記憶も引き起こされる。 なかには、当然もどかしいような、息苦しいような、 ざらついたものもある。 「楽しい想い出」、「哀しい思い出」、「中間の想い出」。 そんな整理整頓していると思っている引き出しの 「楽しい想い出」ばかり開けてはいない。 「哀しい想い出」に分類されている引き出しを、ちょっと 引っ張り出しては覗き、引っ込めているだけだ。 大滝詠一の「君は天然色」のフレーズではないが、 総じて大部分の「想い出はモノクローム 色をつけてくれ!」 と叫びたくなる‥‥。
by don-viajero
| 2010-07-20 21:02
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