陽気なイエスタデイ

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2010年 10月 13日

つるべ

いまの若い人たちは『鶴瓶』は知っていても、
『釣瓶(つるべ)』はおそらく知らないだろう。

ところが、どっこい「秋の日はつるべ落とし」となれば、
知らない者は少ないのではなかろうか‥‥。
「釣瓶落としといへど光芒(こうぼう)しづかなり」
                      ‥水原秋桜子

この時季、晴れた日、一日の終わり、西山に沈む太陽と
雲を眺めているだけで、あっという間に暗くなってしまうように
なってきた。そこに茜色の雲間から『天使の梯子』でも
出現しようものなら、その日を一気に幸せに導いてくれる。
夏の雲は刻々、そして秋の空は日ごとに変わる。
6時ともなれば、どっぷりと闇に支配されてしまう。

『星の王子さま』が訪れた五番目の星。
そこにはまじめな点燈夫が、たった一分間で一日が
ひとめぐりしてしまう小さな星で、街燈に火をつけたり、
消したり忙しなく働いている。

明日の陽を仰ぐまで、日本各地で追われるように
街燈を灯す点燈夫たちばかりでなく、慌しく灯りを
求める人々で一杯だ。

地中700mに閉じ込められ、人工の灯りだけで
暮らしていた、33人の忍耐強かった人々も、
ようやく、すばらしい太陽の恵みの光にあたる
ことができるようになった‥‥。

by don-viajero | 2010-10-13 20:20 | エッセー | Comments(0)


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