2010年 12月 08日
ある人がこんなことを言っていた。 「優れた小説というのは、読み終わったあとで 誰かと無性に話しをしたくなるものだ。」 10月末、友人から重松清『あの歌がきこえる』を 薦められた。瞼の裏にほんのり溜まる涙あり、 クスクスと含み笑いや、ゲラゲラ腹を抱えて笑える 場面あり、楽しく読み終えた。氏の自伝的青春小説で、 中学から高校卒業までの節々できこえてくる メロディーを題名にした短編集だ。 1963年生まれの彼とは、ちょうど10年の開きがある。 題名になっている曲を「You Tubu」から引っ張り出して、 聴きながら読み進める。30年前の今日、凶弾に倒れた ジョンの『スターティング・オーバー』もある。 それぞれの歌が流れていたとき、10年先を歩んでいた 自分を思い起こしながら‥‥。 以前、紹介したように私は寡黙ではない。 誰しもがおしゃべりだと認めるぐらいである。 誰かと無性に話しをしたくなるのは、なにも小説だけ ではないし、映画にしろ、優れたものでなくとも 自分が出合って面白かったことは、体験談を含め 話したくなる性分だ。 人はいつも語りたがっている。 自分のなかにあるものを表に出す作業は、きっと 気持ちがいいのだろう。 「黙るときを知る人は、言うべきときを知る。」 はたして、私は黙るときを、言うべきときを知って いるのだろうか‥‥?とふと、想う。
by don-viajero
| 2010-12-08 20:15
| 本
|
Comments(2)
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by
riojiji
at 2010-12-19 07:32
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重松清『あの歌がきこえる』・・・・
楽しく読まれた様で何よりです(笑) 「青春夜明け前」の続編かな と思っておりますが。 重松って「疾走」のような重いテーマ。かと思えば「愛妻日記」ような「超」の字が付く位の官能小説。でも何と言っても 友情・家族愛・心の交流を書かせたら天下一品かな(笑) さて 「黙るときを知る人は、言うべきときを知る。」 はたして、私は黙るときを、言うべきときを知って いるのだろうか‥‥?とふと、想う。 don-viajero さん、そんなことふと思わなくて結構(笑) don-viajero さんの「おしゃべり」俺は好きです(笑)
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DON VIAJERO
at 2010-12-21 06:50
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日曜、餅つきでしこたま飲んで、おしゃべりして
気がついたら家のホールで丸まって寝てました(笑) |
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