陽気なイエスタデイ

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2011年 01月 06日

超短編小説 『初体験』

とうに結婚適齢期を過ぎた三十路の女三人が、
居酒屋で賑やかに飲んでいた。
酔いが回ってくると話題も際どいものに
変わってくる。

「で、敏江、何歳で体験したの?」
「私は中三のときよ!そう言う加奈子は?」
「敏江って意外と早かったのねぇ~! 
 えぇ~?私は二十歳過ぎかな??良子は?」
「‥‥。私はまだなのぉ~!」

酔いの勢いとは恐ろしい。
敏江と加奈子の話は盛り上がる。
「とにかく、最初は痛くって痛くって‥‥。
 失敗して、もう一度入れなおしたんだからぁ~!」
「っていうかぁ~、怖いよねぇ~。
 あんな太くて長いのが入ってくるんだもん!」
「そう、そう、すっごい時間がかかったの!
 入ったあと、仰向けになったまま目尻から
 涙が零れてくるんだよね!
 そして、そっと目を開けて見つめるの!
 声には出せないけど感動ものよねぇ~!」
「あれって、妙にリアルで驚いちゃうもんね!
 でも、良子!心配しなくていいよ!
 あの先生、とっても優しくて上手だから‥‥。」
「で、良子、いつなの?」
「う~ん‥‥。一応、来週の月曜日なんだけど‥‥。」

二人の話を聞いていて、良子はすっかり迷ってしまった。
胃カメラ検査を受けることを‥‥。

by don-viajero | 2011-01-06 19:47 | 超短編小説 | Comments(2)
Commented by パーチ at 2011-01-10 13:02 x
オイ、オイ!正月に話してた傑作の超短編小説ってこれかよ~。
Commented by DON VIAJERO at 2011-01-10 19:29 x
結構、傑作だと思っていたんだがなぁ~?

落第点でっか!(>_<)


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