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陽気なイエスタデイ

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2011年 05月 20日

串田孫一

キューバの旅の興奮も収まりかけた2月中旬から、
あの日「3・11」まで、暇に託(かこつ)けて20冊以上
新たな本を読んだ。アマゾンから届いた本の新しい
ページを捲ることに快感さえ覚えた‥‥。

あれから今日まで、あの日を境に読み掛けのものを
2冊読破した以外、新たなページを開いていない‥‥。

それでも何故か、若いころ読んだ串田孫一を4冊
本棚から引っ張り出して、拾い読みしていた‥‥。
『旅の断章』、『山の見える窓』、『思索の階段』
そして『ギリシャ神話』。

2ヶ月以上が過ぎ、震災に遭った多くの人々は、
明日に向け歩み出している。
でも‥でも‥‥。いつ終息するとも判らぬ原発が
春の黄砂のように鬱陶しく、息苦しくさせている。

始めのうちは高を括っていた。日本の技術力を
信じていたし、近い将来何とかしてくれるだろうと
思っていた。ところが、東電やその関係者たちの
隠蔽体質や役員たちの高額報酬に呆れ果て、命と
向き合い、日々原発の最前線で働いている人たちの
劣悪な食事や生活を目の当たりにするにつけ
「一体、この国はどうなっちゃったんだろうか?」
切なくなってきてしまう‥‥。

串田孫一の流麗な文章は、まるで荒んでしまった心を
洗い流してくれるようだ。一つ一つの言葉が踊り、輝き、
語りかけてくれる。少しだけ‥‥ほんの少しだけ
息苦しさを払いのけ、氏の世界に飛び込んでゆける‥‥。

by don-viajero | 2011-05-20 20:11 | | Comments(1)
Commented by kimiyasu.k at 2011-07-15 14:39 x
全く、同感です。


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