陽気なイエスタデイ

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2011年 07月 03日

安曇野

長いこと心の隅に引っかかっていたものがあった。
それはなかなか取り除くことのできない、喉の奥に
残っている小骨のように、忘れかけたころチクチクし、
ざらついた感情をもたらしていた。

先日、たまたま観た今話題の「おひさま」での場面。
主人公・陽子が大空襲後の東京へ友人を迎えに
行った件(くだり)だ。
「一緒に安曇野へ帰ろう‥安曇野へ‥‥」
私のモヤモヤは一気に膨らんだ。
-おかしい‥そんな馬鹿な!絶対におかしい!!!-

1974年、筑摩書房から臼井吉見の『安曇野』が刊行され、
「安曇野」は一躍全国にその名を知らしめた。しかし、
それまで私たちは、私たちの住む地域を「松本平」とか
「松本盆地」として教わってきた。そこには‘あずみの’の
‘あ’の字も転がってはいなかった。

私が自分の住む地域を「安曇野」と認識したとき、
それはかなりアバウトな「安曇野」でしかない。
ところが、先の国が進めた市町村合併で周辺5町村が、
「安曇野」を冠した名で市として発足した。
私はある議員の発案であった「好きです穂高」の
ステッカーを車体に貼り、合併反対に奔走した。

いま、市は「安曇野」だけが一人歩きして、特例債の
御旗の下、次々と箱物を造り続けている。
何れ、大きな借金を市民に負わせることを隠して‥‥。

私の中の安曇野は大きくて広い。
いまごろになって、対等合併した一行政区域としての
安曇野が、大き過ぎたことによる弊害を、多くの市民が
気付き始めてきている‥‥。
                  

by don-viajero | 2011-07-03 20:34 | エッセー | Comments(0)


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