2011年 12月 23日
開店準備をしていると、外から変な声が 聞こえてきた。 「い‥らっしゃい‥ませ」しばらく間があいて、 再び「い‥らっしゃい‥ませ」 扉を開けると、そこにはカラスに似た 奇妙な鳥が「い‥らっしゃい‥ませ」 そう言って、ピョンピョンと店内に 入ってきてしまった。 「これゃぁ、珍客でんな!商売繁盛間違いなしや!」 初めのころは物珍しさもあって千客万来の大賑わいだったが、 しばらくすると客足がバタッと途絶えてしまった。 奇妙な鳥は誰も来ないのに、相変わらず 「い‥らっしゃい‥ませ」の繰り返しだ。 誰一人お客のいない店内で鳥を眺めていると、突然 「ほな‥さ・い・な・ら」と言い残し、開けっ放しの扉から ピョンピョンと出て行ってしまった。 ところが不思議とその日を境に、客足が戻ってくるではないか! 「ひょっとしたら、あの鳥は『閑古鳥』ちゅう鳥だったんかも しれへんなぁ‥‥」店主は呟いた。
by don-viajero
| 2011-12-23 19:40
| 超短編小説
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