陽気なイエスタデイ

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2012年 02月 09日

誰かが足りない

生きている限り、深度は違っても自分と関わりのあるf0140209_18443543.jpg
誰かを失う‥‥。それは『死』という永遠に再会することの
叶わぬものもあれば、何らかの事情で、いつの日か共に
時間を過ごした人との別れもある‥‥。

そんな失ったものへの郷愁や、本当はもっと大切な人だった
のではないかと思う気持ちを、いつまでも記憶の底に抱えて
いたところで前へは進めない。各々の想い出のなかだけで
綺麗ごととなって残っていればいいのかもしれない。
それでも、ふと立ち止まったとき誰にでもあるだろう
『誰かが足りない』。

生きていれば新しい出逢いもあるし、新たな生命(いのち)にも
巡り合える。そして彼らとの繋がりに、いままでとは少しばかり
違った人生が切り開かれてゆくことになるのだろう‥‥。

宮下奈都『誰かが足りない』。
一つ一つの物語のなかにある“誰かが足りない”。足らないことを
いつまでも哀しまず、足らないことで充たされてみる。誰もが
決して一人ではないし、希望はどこにでも見つけることができる。
それは美味しい食事を提供してくれるレストラン「ハライ」の
客となって、偶然同じ時刻に予約をし、来店するまでのそれぞれの
葛藤を描いた六篇の連作集だ。

by don-viajero | 2012-02-09 18:45 | | Comments(0)


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