2012年 11月 04日
11月4日、父が泉下の人となって三年目を迎え、日曜と重なり、 一人墓参りに行ってきた。墓前に手を合わせ心の中で語りかける。 -親父!‥‥- 三年も経てば、静かに報告したいことがいろいろある‥‥。 今朝は今シーズン最低の気温を記録した冷え込みだったが、時間が 経つにつれ青空が浮かび上がり、暖かな陽射しがインディアンサマーを 彩る。あのときの4日は、一日中今にも雪が舞い降りてくるのでは ないかと思うぐらいの寒さだった‥‥。 ところで、以前にも触れたが、仏教での三回忌は一周忌を済ませた 翌年、数えの三年目に執り行う。これは、本来の三年後にしてしまえば、 その二年間菩提寺との関係が疎遠になってしまうので、どうやら お寺側の策略であるらしい。格段「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」 部類の人間ではないが、理不尽な決め事に由来していることが多いのが 仏教界の常である。 まずは、動物の肉を食べてはいけない風習のあった仏教界において、 進化してきたのが「精進料理」であり、際たるものが「ガンモドキ」だ。 どうしても、鶏肉を食べたかった和尚たちに編み出されたものである。 その鶏肉が解禁になると、今度は獣の肉を欲するようになり、鶏肉の 味に近い兎を一頭や一匹と表さず、一羽二羽と数えさせるようになった。 戒名にしても、これは仏門に入った者だけに与えられるものであったのが、 殿様が欲しがり(最高の戒名「院殿」の呼称はこの名残り)、後の江戸時代 以降、庶民も付けたくなるようになったものであって、戒名なんか要らな ければ、敢えてつける必要はないかもしれない。 ちなみに父は生前、菩提寺の先代和尚とよほど相性が悪かったのか、 「戒名は要らないからな!」という遺言を遺して逝ったので、その通りにした。 その父のモダン位牌は「〇〇〇〇之霊」とだけ刻まれ、仏壇に収まっている。 -なかなかいい位牌を作ってくれたもんだ!- 手を合わせた位牌の向こうで、ほくそ笑んでいる父の顔が 浮かんでくるようである‥‥。
by don-viajero
| 2012-11-04 12:55
| エッセー
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Comments(7)
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riojiji
at 2012-11-05 14:18
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そっかあ。もう三年になるんだね・・
今年のお山の紅葉は 赤が凄く 良かったよ。 紅葉もそうだけど クリタケの写真見て 一ヶ月は 季節が違うね(笑) もうストーブのご厄介になってますよ(笑)
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DON VIAJERO
at 2012-11-05 19:28
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こっちだってストーブだよ!
このモミジ、墓地公園のものだけど、この周りにある たくさんの赤松も紅葉しているよ!(笑) 「豊科」→「安曇野」に名前を替える費用に2億円はあっても、 マツクイムシ対策費用はないみたいな、アフォな「安曇野市」や!!!
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riojiji
at 2012-11-06 07:48
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DON VIAJERO
at 2012-11-07 06:20
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市長やバカ議員どもに『優先順位」って考えが欠如
しているからだよ!
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アンニョン!
at 2012-11-09 21:19
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DON VIAJERO
at 2012-11-10 11:30
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アンニョン!さんのご尊父様の逸話は聞いています。
生前の名前は本人の預かり知らぬところで決まり、 (裁判所で変更は可能ですが・・・) 鬼籍に入っても然り。 父は自分の名前が好きだったみたいです。 私はずっと、戒名は自分でつけようと思っていたのですが、 父がないものを持つ必要はないでしょう!
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アンニョン!
at 2012-11-10 11:39
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