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2013年 02月 17日

権謀術数

f0140209_20133875.jpg数日前に読み終えた伊坂幸太郎の『魔王』だ。
(第一刷発行2005年10月20日)















この本の中に『権謀術数(けんぼうじゅっすう)』という四文字熟語は
出てこない。しかし、私の頭の中では、常にこの言葉が蠢いていた。
それは言葉と同時に過去に生きていた二人の人物、そして現在も活躍して
いるあの二人もチラチラ胸糞悪さを感じるほど登場してきたのである‥‥。

『権謀術数』とは、主に社会・集団において物事を利己的な方向へ
導こうとするための技法の総称。『権』は権力、『謀』は謀略、『術』は技法、
『数』は計算を意味するとされる。
辞書を紐解くと‥人を欺くためのはかりごと。種々の計略。「―にたける」

作中で、近い将来首相になるであろう野党党首『犬養』の言葉
「民族は、どの民族でも善と悪について、独自の言葉で語っている。
 国家は、善と悪についてあらゆる言葉を駆使して、嘘をつく。国家が
 何を語っても、それは嘘であり、国家が何を持っていようと、それは
 盗んできたものだ。ニーチェはそう言った」
・・・・・・・・・・・
「国家に騙されるな。私は、善と悪について、嘘をつかず国民に説明する。
 嘘で作った橋の向こうに未来はない。こうも言える。いままでの政治家は、
 国民の意見や迷信、流行に奉仕してきた。真理に奉仕してきたのではない。
 政治家は、未来に奉仕すべきではないか。私は、国民に迎合するつもりは
 ない。なぜなら、それでは未来は築けないからだ」
諦観と無責任の蔓延した今の世の中に、彼のような断定口調が心地よく
響き、次々とそんな言葉を発する彼に、彼の言葉に酔ってゆくマスコミ、
民衆‥‥。どうしたってあの二人、かの二人を思い浮かべてしまう。

『勝てば官軍』。次回の審判まで何をしても許される?!
-それはないだろうぜ!!!-とひとりごちる。        

by don-viajero | 2013-02-17 20:23 | | Comments(0)


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