陽気なイエスタデイ

donviajero.exblog.jp
ブログトップ
2013年 02月 26日

一見(いちげん)さん

f0140209_19285223.jpg
「朝の光」

以前、の中には決して出逢ったことのない人は出てこない‥‥。

そんなことを書いたし、これ自体事実であろう。稀に本を読み終えた後、
自分が想像で作り上げた作中の人物が現れることもあるが‥‥。

ところが、つい最近、私は人生のなかで、未だかつて一度も逢った
ことのない人物の夢を見たのだ‥‥。

もうかれこれ30年も前の光景だ。村と呼ばれてもおかしくないような、
当時人口一万人にも満たない小さな町の一人の町会議員を目の前にして
「先生!先生!‥‥」と揉み手をしているやり手の若社長。その傍らで、
歯が浮くばかりか、熔けてしまうような物言いに、辟易して背を向けて
唾吐く私。因果は巡る?今、息子はその社長の下で働いている。

ここからが夢の世界。
そんなどこまでも明るく振舞う社長の横に、二人の青年が穏やかな笑みを
浮かべて寄り添っている。一人は長男のH君。もう一人はその弟のY君だ。

私は、このとき初めてY君に逢った。それは何度も顔を逢わせている社長と
長男のH君、それぞれの“えぇとこ取り”のパーツの組み合わせで、まったく
もって無理矢理色男に仕立て上げたようなモンタージュー写真の顔だった。

数日後、息子に訊いてみた。
「逢ったことはないんだが、社長の二番目の息子さんの夢を見たんだ!
 髭モジャで精悍な顔してたなぁ‥‥」
「あ!それおかしいわ!なんなら今年、会社でやった新年会の写真
 あるから見せてやるよ!」

やっぱり、知らない顔だった‥‥。   

by don-viajero | 2013-02-26 19:36 | | Comments(0)


<< 傍ら痛し      『チーズバケット』 >>