陽気なイエスタデイ

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2013年 11月 12日

カップヌードル

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1971年から製造開始とあるが、そんなに強烈な印象は残っていない。
まだ生めんが出回っていなかった時代。インスタントラーメンの
醤油味は明星チャルメラ、塩味、味噌味はサッポロ一番に、キャベツや
もやしをたっぷり入れたもののほうが断然美味しかったからだろう。

2000年2月、グアテマラの旅でのことだ。
真夜中、リオ・オンドのバス停のベンチで仰向けになり、今にも零れ
落ちてきそうな満天の星を眺めながら、少しばかりの空腹を覚え、
覚束ない裸電球に照らされた一軒だけの、まるで掘立て小屋のような
雑貨屋を覗いていた。
-なにか腹の足しになるものはないかなぁ‥‥-

私の横に来た小柄な小太りのおばちゃんが、店番のいかにも温和そうな
おばあちゃんと何やら会話。薄暗い奥の棚のものを取り出し、魔法瓶から
お湯を注ぐ。そのおばあちゃんが手にしていたのが「Japanese Cup Noodle!」。
それを横目でチラリ。おばちゃんが、再び一言二言おばあちゃんに話しかける。
おばあちゃんが差し出したのは、古びたアルミ製の大きなコーヒーカップと
プラフォーク。よほど物欲しげそうに見えたのだろう。おばちゃんは中身の
半分を私に分けてくれた。その旨かったこと!
「Gracias ! Está muy delicioso !」。
礼を述べ破顔を向けた。

熱々の麺を一口頬張って、夜空を見上げた彼女の大きな瞳のなかにも、
無数の星が輝いていた‥‥。

by don-viajero | 2013-11-12 20:15 | ◆旅/全般◆ | Comments(0)


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