陽気なイエスタデイ

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2007年 06月 15日

前述の通り、若い頃(高校~大学時代)しっかりと、
山に嵌っていた私が読むものといったら、専ら山に関する
書物(山行ものや山岳名著etc)だけといっても過言ではなかった。
所謂文芸書なるものは、ほとんど読んだことがなかった。

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そんなある日、駅から下宿先への道すがら、
時間を持て余していたこともあり、
小さな古本屋の店先に並べられた文庫本を
覗いた。その中の一冊『堕落論』坂口安吾著を
手にとり、それを買った。確か50円前後と
記憶している。


〈北尾根より前穂高岳登頂 '75・3月〉

その中にはこんな一節が書かれていた
― 人はあらゆる自由を許されたとき、自らの不可思議な
   限定とその不自由さに気付くだろう ―
更に
― 人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。
   だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう ―
そして
― 堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、
   救わなければならない ―

そうでなくとも多感な時期である。
「生きよ!堕ちよ!」衝撃だった。
この本に出合ったことで、それからというものは、貪るように
夢中で次の安吾作品、次の安吾作品と読み進み、彼の著作をすべて
読み終えてからは、その作品を評する「花田清輝」「関口光雄」etc。
そして、「高橋和己」「中上健次」「倉橋由美子」・・・「植草甚一」・・・。
海外ものではジャン・ジュネに陶酔し、果てはサルトルまで行き着き、
数々の作品と巡り合うことができた。
一端の文学青年気取りで、友と文学論で口角泡を飛び交わすことも
しばしばだった。

今はというと、もっと軽い短編物が主である。
加齢とともに、言葉を忘れ、思い出したところで、
その漢字すら書くことが難しくなって、簡単な備忘録なるものを
片手に読んでいる次第だ。
これもパソコン(ワープロ)を使用するようになっての所以であろう。

ところで、我が家では、カミさんもなかなかの読書家である。
しかしながら、どういうわけか、すでに成人している三人の子供達は
本を読もうとしない。
ところが、東京で暮らしている次女が最近読んでいるらしい。
過日、帰省した折にも、一人静かに文庫本を広げて読み耽っていた。
そんな、あらまほしき姿を面の当たりにして、ついほくそえむ私である。

by don-viajero | 2007-06-15 19:28 | | Comments(2)
Commented at 2007-06-17 14:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by don-viajero at 2007-06-17 18:19
ギョッ!ギョッ!
「文は人となり」でっか?

投稿するにも筆・・・じゃなくて指が震えて、
緊張するかもしれまへんなぁ・・・。

ワテ、〈カトリーヌ〉はんはドヌーブのおばはんと、
おにんぎょさんみたいなダニエル・ビダルの「カトリーヌ」しか
知りまへんでしたわ~!
ご近所に〈カトリーヌ〉はん、いやいや蚊取奴はんがおられるとは!

トラの影響は大いに受けてまっせ!
因みに、『ヤフー掲示板・阪神タイガース・応援』の
名は「shinsyutorakichi」ですねん。

まぁ、どんな毀誉褒貶があろうともがんばりまっせ!!!


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