陽気なイエスタデイ

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2007年 09月 18日

異邦人

♪子供たちが 空に向かい 両手をひろげ
 鳥や雲や 夢までも つかもうとしている
 その姿は昨日までの 何も知らない私
 あなたに この指が届くと 信じていた
 空と大地が ふれあう彼方 過去からの旅人を呼んでる道
 あなたにとって私 ただの通りすがり
 ちょっと振り向いて みただけの異邦人

 市場いく 人の波に 身体を預け
 石だたみの 街角を ゆらゆらと彷徨う
 祈りの声 ひづめの音 歌うようなざわめき
 私を 置き去りに 過ぎてゆく 白い朝
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これを初めて耳にしたとき、私の脳裏に浮かんだのは、
今では、容易に行くこともできないアフガニスタンだった。

当時アメリカナイズされ、道には車が溢れていたパーレビ王朝時代の
イランから国境を越えると、一昔も二昔もタイムトンネルで迷い込んで
しまったかのようなアフガン・ヘラートの街。
一泊200円の安宿の窓からは無舗装の道のど真中で話し込んでいる男達。
全身をチャドルで覆い隠し道ゆく女性達。鶏を捕まえようとキャーキャー
追いかけ回る子供達。ときどき通る馬車からチャリンチャリンと蹄の音と
ともに響く鈴の音。車はほとんど走っていない。稀に見かけてもそれは
時代物のオンボロ車。夢の世界にでもいるようであった。

かつてチンギス・ハーンにサマルカンド(ウズベキスタン)同様、草木と
雖(いえど)も生きしものすべてを焼き尽くされたヘラートに辿り着き、
漸く『旅』に出た目的が何であったか気付いた。
それは、『旅』をすることが目的だったのだ。
出来得るならばこの夢のような街に一週間でも二週間でも居たい。
そんな素朴で愉快な街であった。

特段の産業もない、こののんびりした農業国が旧ソ連の進行に始まり、
タリバンに制圧され、今またそのタリバンを追い出そうとしたアメリカの
『テロとの戦い』という錦の御旗の下、ズタズタにされている。
いまだに、アフガンでは血が流れ続ける‥‥。
一体、いつになったらこの国のキラキラと輝く子供達の眼差しを
見ることができるのだろうか‥‥。

by don-viajero | 2007-09-18 19:06 | ◆旅/全般◆ | Comments(0)


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