2007年 12月 19日
高校入学後、間もなくして同じ中学出身(郷友会)の 歓迎コンパに招待された。 公民館を借り上げ、先輩たちがカレーでもてなしてくれた。 2.3年生を前にして我々新入生が座って並ぶ。 厨房からはカレーの香ばしい匂いが漂ってくる。 カレーが運び込まれる直前、灯りを消した。 暗闇のなかで先輩からは 「我々が新入生のために心を込めて作ったカレーだ。 しばらく、この状態で味わって食べてくれ!」 なにやら怪しいとは思いつつもその味はカレーそのものだった。 数分して灯りが点けられた。 我々のテーブルのカレー皿は青やら赤やら緑のものだった。 そう、色粉を混ぜたものだった。 上座にデンと座り込んでいる3年生は一升瓶に茶碗酒。 まるでおっちゃんと昨日中学を卒業したばかりのひよっこの違いだ。 私は隣のM君に 「俺たちが3年生になったら、あんなバカなことは しないでおこう!」 と彼にだけ聞こえるような小声で耳打ちをした。 しかし、なんのことはない。 その2年後、私たちは同じことをしていたのだった。 この郷友会というコンパは年、数回行われた。強制ではない。 各学年でも数人しかいないが出席した女の子は 8時には帰宅させ、しかも男二人で家まで送る。 酒を飲んだ者は外出しない。 これが不文律だった。 ケラケラ腹を抱えて笑い転げながら「猥歌」も覚えた。 先輩たちと膝を突き合わせて夜を徹して語り合う 有意義な場であったことも確かだ。 部活とはまた違った先輩、後輩という縦の繋がりを 叩きつけられた場でもあった。
by don-viajero
| 2007-12-19 20:31
| エッセー
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