陽気なイエスタデイ

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2008年 01月 27日

神々の住むアンコール/Ⅰ

広大なアンコール遺跡群を堪能するため、
シェムリアプの街に4泊する計画を立てた。

クメール族の国・アンコール朝が残したアジア最大の遺跡群。
とりわけアンコール・ワットの見学者数はおびただしいものがある。
数多くの世界遺産を訪れてきた私にとっても、これほどの見学者が
いる遺跡を目にするのは初めてである。
そのなかでも、圧倒しているのがコレアン・パワーだ。
団体や若い娘たちのグループ。次に中国系、日本人の団体、
そして欧米人の団体やアベックである。

狭い回廊を列をなして歩くのだ。
ノーガイドでガイドブック片手の私は、韓国語、中国語、英語、
日本語、スペイン語、フランス語‥‥さまざまな言語のガイドさんの
案内で、見るべき壁画レリーフポイントが判るのでありがたい。

昨年訪れたベトナムを含め東南アジアばかりでなく、
今、インドでは若い韓国人たちの訪問が空前のブームらしい。
私がインド等を旅した時。日本にあってそれは森本哲郎著
「豊かさへの旅」や小田実著「何でも見てやろう」世代であった。
次の世代が沢木耕太郎著「深夜特急」であろう。

マチュピチュの場合、交通手段は鉄道だけだ。
そのためクスコからの限られた本数の列車しかないのだ。
麓の駅からはハイラム・ビンガム道をピストン輸送する
ミニバス。頂上には高級ホテルが一軒のみ。
急勾配の道の崩落はいたしかたないとしても
一日の訪問者数は限られる。
だからこそ、この空中都市はゆっくり見学できる世界遺産なのだ。

ここアンコールは違う。毎日、巨大な口を広げて多くの観光客を
飲み込んでいる。
空には騒がしい観光ヘリが旋回し、気球までがあがっている。
道には観光客のバイク(レンタバイク等)の乗り入れは
禁止されたというのに、バイタク屋、ツゥクツゥク、団体バス、
マイクロバスがひっきりなしに行き交っている。
申し訳程度に循環電動自動車が空気を乗せて走っている。

はたしてこのままの状況でこの貴重な世界遺産を
守っていくことができるのであろうか。
周辺に暮らし、観光を生業としている人々やそれにかかわる
住民と自然もあるだろうが‥‥。
それはまるで陶冶(とうや)の途上にある世界遺産といっても
過言ではないだろう。

アンコールの神々が静かに朝を迎える日は当分
来ることはないのであろう。

                           (シェムリアプにて)

by don-viajero | 2008-01-27 16:18 | Thai/Laos/Cambodia | Comments(0)


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