陽気なイエスタデイ

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2008年 03月 26日

伯母

父の姉である伯母が今朝、息を引き取った。齢91.

ガタガタした一日のなかでも、
やはり、想いはその周辺へと導かれる。

そのころ伯母の家は私が育った家の近くにあり、
辺りには山葵田が点在していた。

小学生の夏には誰もいない家へ帰るより、
伯母の家へ行き、カバンを置いて悪がきらとウグイ獲りや、
カジカのモリ突き。冷たい清流に戯れる毎日であった。
山葵田を掘ったときにできた小山、そしてそこに生えた木々は
四季を通じて、揺籃期の子らにとっては絶好の遊び場だった。

伯母の家の卓袱台にはいつも我が家には並ばないものや、
まったく違った味付けのものが置かれていた。
それはいつ何時(なんどき)客が来てもいいように
用意されているものであったと思っている。

私が成人して、時折訪れるときでもそのスタイルは変わらなかった。
生まれてずっと味わってきた「おふくろ」の味でもなく、
結婚して染み付いた「カミさん」の味でもない、「伯母」の味であった。

幼子を残して、連れ合いに戦死されてしまったにもかかわらず、
気丈にも一人娘を育て、愚痴を零すでもなく、がんばってきた「おばちゃん」。
ご苦労さん!そしてありがとう。        

                               合掌

by don-viajero | 2008-03-26 22:03 | エッセー | Comments(0)


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