陽気なイエスタデイ

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2008年 04月 24日

超短編小説 『暖』

北国の冬の鈍色(にびいろ)に覆われた薄暗い天空は、
時折白い渦を舞わせコーっとかすれた声を響かせる。

長いことこの地で暮らす者でも今年は格別に寒い。
値上がりの続く灯油代もバカにならない。
我が家は数年前、流行の床暖房にしたのだが、
それも切りっぱなしである。

隣接の小学校も床暖房。
休み時間ともなれば、薄着ではしゃぎ回る児童の姿が、
ドテラでも羽織らなければいられないような部屋の
凍てつく窓越しから眺められる。
そんな寒い日々でも、子供たちは快適な学校生活をしている。

私は配管工。
その学校の水道管が凍ってしまった。
折りしも冬休み前日。
休み中に工事を請け負った。

学校が再開されると我が家の床下からは
コーっとかすれた声を響かせる暖かな流れが聞こえてくる。
そして、Tシャツ一枚で温(ぬく)い部屋の窓越しから
いつもの子供たちの元気な姿を眺めている。

by don-viajero | 2008-04-24 20:00 | 超短編小説 | Comments(1)
Commented by riojiji at 2008-04-26 14:15 x
セコ~~~

俺的には 好きな作品。爆笑もんでした。
これからも こういった物・・オネゲ~~しますだ。


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