陽気なイエスタデイ

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2008年 05月 10日

GW

GW最後の6日に私用で山葵田近くに行った。

快濶な五月の陽光に照らされた安曇野は、水の張られた田園の海に
まだ多くの雪を抱く北アルプスの雄大なパノラマが映し出されていた。
真正面の常念坊の雪形を現した常念岳から南に延びる蝶ヶ岳の稜線。
北は白馬三山までくっきりと見渡すことができた。
とりわけこの時期、鹿島槍ヶ岳の北股本谷の雪渓を凝視するのが常である。

山岳同人「餓鬼」を結成した年の1975年から79年まで、
毎年、西俣出合上部に「鹿島槍南壁合宿」と銘打ってBCを構えた。
少ないときで三人。多い年で十人。このときにはテントを三張り設けた。

積雪期における鹿島槍南斜面周辺はバリエーションルートがいくつもある。
布引東尾根、鎌尾根、東尾根、そして北峰へと続くダイレクト尾根。
このうちダイレクト尾根は75年4月初旬、S氏と挑んだのだが途中で断念。
その後数回の合宿の際計画したのだが、天候不順等で登れないままに
なっていた。

79年「餓鬼」最後の合宿となったGW.
Y氏と二人だけが都合がつき、天候にも恵まれようやく完登できた。

この毎年の合宿でなんといっても圧巻は登頂後南峰、北峰のコルから
北股本谷を滑り降りることだった。
グリセードに尻セード。あっという間にBCに辿り着く。
まるでヨダレを垂らしながら奇声を上げて、次々と滑り降りる。
まさに谷底に向かって滑り落ちるといってもよい光景だ。

あの山を見ているときは身震いさえ起こす。
-なんて無茶なことをしたものか!-と。
それでも75年、S氏とで下って安全なことは実証済みだった。
誰一人として尻込みするような者はいなかった。

あの豪快な雪渓の遊びは、私を含め「餓鬼」の仲間たちには
痛快な思い出として残っていることであろう。

by don-viajero | 2008-05-10 20:59 | | Comments(0)


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