陽気なイエスタデイ

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2008年 07月 13日

夢 『第五夜・変身』

小学校から中学、高校、大学そして今の職場まで
ずっと同い年の竹馬の友。
お互い、性格はおろかすべてを知り尽くした仲である。
そんな彼が一ヶ月前に結婚した。
なかなかの美人だ。特に唇が艶(なまめ)かしい。

ところが結婚後、彼はやけに足が速くなった。
一緒に並んで歩いても、いつも置いて行かれそうになる。
小学校から俺は常にかけっこで一番、あいつはビリ。

ある日夢を見た。
彼の新妻が彼の足をあの唇でむしゃぶり食っている。
そして、その付け根を舐めていると新しい足が生えてきた。
変わったのは足だけではなかった。手先も器用になった。

また夢を見た。
彼の新妻が彼の指を旨そうに一本一本食べている。
そして舐めているとやはり新しい指が生えてきた。

しばらくして彼に話した。
「お前、結婚してから変わったな!」
「お前もそう思うか?なんだか足が速くなったり、起用になったり‥‥。」
「どうしてなんだ?」
「俺にも解らん!」

また夢を見た。
彼の新妻が彼の頭を食べている。そして首元を舐めていると
新しい頭が生えてきた。

頭の回転まで良くなってしまった。確信した。
小学校のときつけたオデコの傷跡がない。
「オイ!お前まだ気づかないのか?」
「なんのことだ?」
「お前は、昔から足が遅くて、不器用で、俺より頭が悪くて‥‥。」
「バカ言うな!俺は昔から足が早くて器用でお前より頭が良かったんだ!」

by don-viajero | 2008-07-13 07:20 | | Comments(0)


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