2008年 08月 27日
廊下にある鍵のかかっていない個人用ロッカーの 扉を彼女は静かに開けた。 そして、その中にあった白封筒を開封した。 物陰からは、われわれ二人が次のアクションを 笑いを堪(こら)えながら待ち構えていた。 高校時代、どうにも鼻につく女子がいた。 仲間のあいだでも悪名高き、チャラチャラした女子だった。 山岳部同期のT氏とで、なんとか彼女をギャフンと させることができないものか頭を捻っていた。 そこで思いついたのが「ラブレター作戦」。 もちろん、差出人の名は記さなかった。 どれほど彼女を好いているかをつらつらと書き記し、 しかも、ご丁寧に下ネタも交えて‥‥。 その「ラブレター」を読み終えた彼女は、 明らかに顔を曇らせ、辺りをキョロキョロしだした。 われわれは交互に、今にも噴出しそうな口元を 押さえながら、何食わぬ顔をして彼女の脇を通り過ぎる。 先月、こんな新聞記事があった。 「松本市内の高校で、下駄箱にラブレターじゃなく、 殺人予告!」 -女子生徒の態度が気に入らなかった- この事件を起こした男子生徒は書類送検された。 「悪戯」にもいろいろある。 マルセリーノ坊やの『汚れなき悪戯』のようなものもあれば、 陽気なものから陰湿なものまである。 発想は同じでも異なった行動をする「悪戯」。 茫洋とした記憶のなかから、そんな「悪戯」を思い出した。
by don-viajero
| 2008-08-27 19:56
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