陽気なイエスタデイ

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2008年 11月 03日

超短編小説 『手術室』

麻酔をされ朦朧とした意識のなかで、
微かに目に飛び込んできたのは、
手術服に身を包んだ小学校の同級生だった妙子。
同じ服装で隣にいるのは、やはり同級生だった弘樹。

妙子が自己紹介する。
「脳外科の山本妙子です。
 これから貴方の脳にある腫瘍を撤去します。」
続いて弘樹が、
「心臓外科の中野弘樹です。
 脳手術と同時進行で心臓バイパス手術をします。」

二人はマスクをかけ、妙子の手には電動ドリル、
弘樹の手には鋭利なメスが握られている。

-そんなバカな!お前ら俺よりあんなに
 成績が悪かったのに‥‥。なんで医者なんだ!
 こんな手術、きっと失敗するぞ!
 ヤメロ!ヤメロ!止めてくれぇ~~~!-

-ウィ~ン ウィ~ン-
電動ドリルのスイッチが入れられる。
-ギャァ~~~~~!-

目が覚めた。
心臓が高鳴り、体中脂汗でビッショリだ。
頭と枕に挟まれてラジオのイヤホンがゴリゴリあたっていた。

-そういえば、最近人間ドッグを受けていないなぁ!
 近いうちに予約しよう!-

by don-viajero | 2008-11-03 20:43 | | Comments(0)


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