陽気なイエスタデイ

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2008年 12月 21日

超短編小説 『クリスマス・イブ』

「ねぇ、パパ。仕事へ行く前に息子にも
 クリスマスプレゼントをあげてくださいな!」
「あぁ、わかってるよ!もう寝ているかな?」
「えぇ。きっとサンタさんの夢でも見ているころじゃなぁい?」

すっかり仕事服に身支度した彼は、
そ~っと息子の部屋のドアを開けた。
真っ暗な部屋の窓辺からは、僅かな月明かりが
静かな寝息をたてている息子の顔を照らしていた。

枕元にプレゼントを置こうとしたとき、
床にあったおもちゃを蹴飛ばしてしまった。
-ガッチャ~ン-
目を覚ました息子が、
「あれぇ~?なぁ~んだ、サンタさんってパパだったのぉ~?」
「そ、そうなんだよ!パパがサンタさんじゃ嫌かい?」
「うぅ~ん。そんなことないよ!
 サンタパパさん、ありがとう!メリー・クリスマス!」
「メリー・クリスマス!おやすみ!」

「ママ。ばれちゃったよ!夢を壊しちゃったかな?」
「パパが失敗するなんてめずらしいわね!
 もうそろそろ気がつく歳だもん、仕方ないわ!
 でも、他の子供たちは起こさないようにね!」
「わかった。気をつけるよ!
 それじゃぁ、行ってくるね!」
「行ってらっしゃ~い!」

彼は外に待たせてあるトナカイのソリにプレゼントの
一杯詰まった大きな白袋を乗せ、手綱を引き号令をかけた。
トナカイたちは雪を巻き上げ、ソリは宙に浮き、
天高く舞い上がっていった。

by don-viajero | 2008-12-21 09:01 | 超短編小説 | Comments(2)
Commented by riojiji at 2008-12-23 14:00 x
don-viajero さん得意の「 あっと驚く溜五郎」手法!
好きですねえ。超短編小説にピッタリの手法・・・と思うのは私だけかな?星 二つ半~~~!簡単に三つにすると  don-viajero さんの創作意欲がなくなりますから???
Commented by DON VIAJERO at 2008-12-25 21:49 x
タイムリーな話でしたね!
夢はいつまでも大事にしていたいものです!


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