陽気なイエスタデイ

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カテゴリ:本( 73 )


2015年 01月 17日

ホームレス

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ホームレスの住処は一切なくなってしまった多摩川べりのラン。
かつて邸宅?があった場所には、酷く草臥れたリヤカーが立木に
もたれるようにして置かれていた‥‥。

昨年暮れ読破した荻原浩著『砂の王国』
大手証券マンの主人公・山崎遼一が、些細なきっかけでホームレスに
転落し、どん底から這い上がってゆく物語だ。

暮れから今年にかけて、書評欄で幾度となく高評価を目にしていた
島田雅彦著『暗黒寓話集』。
11月28日発売ということもあって、まだまだユーズドでそんなに
安くなっていない。とりあえず読んだことのない作者なので、一冊
購入したのが『ニッチを探して』だった。

そして、この本がまたしてもホームレスの話。
大手銀行で背任の容疑をかけられそうになった副支店長・藤原道長が、
稚拙な計画のもと失踪した挙句、徐々にホームレスの生活を会得し、
様々なニッチ(隙間)の世界を渡り歩いてゆく‥‥。

『暗黒寓話集』を手にするのを、今からワクワクしている‥‥。

by don-viajero | 2015-01-17 20:11 | | Comments(0)
2014年 12月 22日

2014年『この1冊』

今年から『この3冊』なんざ、おこがましいので『この1冊』に
変更させてもらいます。

14日と21日の両日曜朝刊に掲載された書評執筆者40人。
それぞれが選ぶ『この3冊』。私自身も含め、一つとして
かぶった作品はなかった。まぁ、彼らが選ぶのは、概して
数千円もするような書物であるから、私には端から縁が
ないのに決まってはいるのだが‥‥。
尚、2010年に紹介した『砂の王国・上/下』は、それぞれ
1円(送料257円ずつ)で購入できた。

私の『この1冊』は重松清著「星のかけら」だ。
小学6年のぼく(ユウキ)とマサヤは、先輩から聞いた話を
確かめるため≪星のかけら≫を探しに出かけ、そこで一人の
女の子に出逢う‥‥。命の大切さを覚え、少しずつ大人に
なってゆく子供たちの物語だ。
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そして、またしても重松のおっちゃんにしてやられた!
最終章で溜まった涙は、頬を伝い一気に流れ落ちた‥‥。

ついでに、今年一番読んだ作者は横山秀夫の6冊だった。
所謂、警察サスペンスものである。

by don-viajero | 2014-12-22 18:51 | | Comments(3)
2014年 08月 17日

異常な夏

夏前、気象庁はエルニーニョ現象で、冷夏の予報を出していた‥。
ところがへそ曲がりな気候は、梅雨明け前後にかけて日本列島
各地を軒並み猛暑にさせた‥‥。

そして、豪雨をもたらした台風が過去ると、列島には秋雨前線っぽい
ものが居座り続け、やはりゲリラ豪雨で災害を撒き散らしている。

毎夏の朝夕、森のなかで生活している者たちにとっては、騒がしい
だけの蜩の鳴き声も、今夏はその数が少ないのか、遠くから聞こえて
くるときのように、耳に心地よく響いてくる。

結局、私の地域では「スカッとさわやかコカ・コーラ」の夏空が、
一日も現れなかった盆休暇。

雨が降っていなければ、隣の森に入って枯れたニセアカシアの木を
チェーンソーで倒し、風呂の兼用釜に使う薪作り。雨が降り出せば、
蒸すほどでもない涼しさのなかで本を読む。これぞ晴耕雨読だ!

ちなみに、盆休み中に読み終えたものは、読みかけ中だったものも
含め、桜木紫乃著「ラブレス」、奥田英郎著「真夜中のマーチ」、
横山秀夫著「深追い」と「真相」、そして、再読した山田太一著
「異人たちとの夏」の5冊だった。
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四半世紀以上前に中古で購入したスチール。いまだに現役!!!

by don-viajero | 2014-08-17 17:49 | | Comments(0)
2014年 07月 11日

リセット

[if]‥叶うなら、あの頃に戻って人生をやり直したい‥‥。
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正直、一度や二度ばかりでなく、そんな白日夢でも観るように、
タイムトンネルを抜けて過去に戻ってみたいと思ったことは、
何度もある。

ただ、それは戻りたいだけであって、過去に出くわしてきた
様々な分かれ道を、あらぬ方向に行くようなもので、今在る
自分の存在を否定するような生い立ちまでやり直したいなんて、
微塵にも想い描いたことはない。

プロローグでは、同郷しかも同じ高校の同学年だったが、
決して仲良しでもなかった主人公である三人の女性、それぞれの
現在(いま)を紹介。

ある日、デパートで催されていた出身地の物産展で、偶然
出逢った三人が、謎めいた居酒屋で食事を共にしたところから
物語が始まる‥‥。

[re set]‥誰しも、失敗はやり直したいものだ‥‥。

ひょっとしたら、人生は変えられるものかも‥‥?
なぁ~んて思わせてくれる、垣谷 美雨著『リセット』。

by don-viajero | 2014-07-11 20:30 | | Comments(0)
2014年 05月 27日

「軍師官兵衛」

ご存知、現在放映されている某国営放送の大河ドラマだ。

そして、この「軍師官兵衛」とともに俄かに脚光を浴び出したのが、
「二流の人」の作者・坂口安吾である。
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想えば四十数年前、安吾の作品で「堕落論」の次に手にしたのが、
この「白痴・二流の人」の文庫本だった。特筆すべき二つの作品の
他には「木枯らしの酒蔵から」、「風博士」、「紫大納言」、「真珠」、
「風と光と二十の私と」、「青鬼の褌を洗う女」の八編からなる氏の
珠玉の短編が収められた一冊だ。

泉下で静かにしていたかったであろう如水も、安吾ともども、たった
一つの冠番組の賑わいのお陰で、さぞや五月蝿きことであろう‥‥。

by don-viajero | 2014-05-27 21:03 | | Comments(0)
2014年 03月 10日

ウィスキーとアフリカと

この題名はブログの中身とはまったく関係ありません‥‥。

以前にも書いたことがあると思いますが‥‥。
長い旅のなかで必ず時間を弄んでしまうときがある。
そんなとき、木陰のベンチに腰掛けページを開く。
活字を追うことに疲れ、心地よい風に誘われるように、
微睡んでしまうこともある‥‥。

今回ミャンマーの旅でお供したのが『アフリカの瞳』
帚木蓬生(ははきぎほうせい)著。この作者との出逢いは、
姪のお薦め作者だったからだ。初めて手にしたのが
『安楽病棟』。現役の精神科医としての短編物だったが、
つまらなくて途中で放り投げてしまった。しかし、今回の
作品はこれでも同じ作者なのかと訝ってしまうほど上出来な
作品だった。国名は伏せてはあるが、明らかに南アフリカ
共和国の実情である。

主要なテーマは、主人公の医師「作田」を通して見えてくる、
エイズ問題やいまでも蔓延る人種差別。指導者や富裕層が
白人から黒人にとって代わっただけで、何ら変わらない
アフリカの現状だ。
そして、突然起こった息子の誘拐事件‥‥。
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ビール(1000k)とウィスキー(1500k)を買ったホテル横の雑貨屋のおばさんと
(インレー湖・ニャウンシュエにて)

by don-viajero | 2014-03-10 19:47 | | Comments(0)
2014年 03月 09日

あの日。3・11(第六章)

映画「おくりびと」で初めて知った‘納棺師’という存在。
その納棺師の一人である笹原留似子氏が、遺体の
復元にこだわり、自らを‘復元納棺師’と名乗り、‘復元師’
と‘納棺師’として死者と生者とを見つめてきた現場での
記録が、第一章から第五章まで綴られ、そして第六章
からは、あの忌まわしい【3・11】の記述が始まる
『おもかげ復元師』。

先日、毎朝チェックするM氏のブログで、この本を紹介
していた。早速、アマゾンユーズドでゲット!

手元に届いた夜から読み始めたものの、第一章から
涙腺は緩みっぱなしだ‥‥。数ページも進まないうちに
零れてくる大粒の涙と鼻水で顔はぐしゃぐしゃ。嗚咽さえ
もらす‥‥。横に置いたティッシュの箱から次々と
引っ張り出され、皺くちゃになった紙の山‥‥。

涙を拭い、そっと閉じた瞼の下では、湯灌を済ませ、
死化粧を施され「男前」になった父の顔がチラチラ
過ってゆく‥‥。
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by don-viajero | 2014-03-09 16:21 | | Comments(0)
2013年 12月 26日

2013年『この3冊』

毎年恒例の『この3冊』‥‥すみません!
今年はこの題に応えるほどの読書量がありませんでした!
ということで『この1冊』でご勘弁を‥‥。

何といっても今年のピカ一は、初めて読んだ作家で伊坂幸太郎氏
推薦の打海文三著『ぼくが愛したゴウスト』だ。

敢えて他の作品を挙げれば、今年度初頭に一気に上・下巻を
読み終えた、宮部みゆき著『クロス・ファイア(上・下)』。そこには
いとも造作なく、主人公に感情移入してしまっている自分がいる‥‥。
宮部作品に外れなし!

そして、この暮れに出合った「太田愛」という作者。この方ご存知
『相棒』の脚本陣の一人である。
一人の少年を通して、冤罪をテーマにした物語『幻夏』。
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by don-viajero | 2013-12-26 20:12 | | Comments(0)
2013年 11月 10日

短篇小説

普通のそれぞれが独立した物語を織り成す短篇集なら、
ページを閉じてしばらく積読状態でも、何の差し障りも
ないが、これが一話、一話関連した短篇連作となれば、
そうはいかない。一つの物語が終われば、そこには余韻が
漂い、いとも容易く次の章へと誘(いざな)う。

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『そこに薔薇があった』打海文三著。
これは連作短篇集だ。最後の第七話を読み終えてしまうには、
あまりにも口惜しくて、あえてページを捲らなかった。

大風が赤や黄色の木の葉を撒き散らす音を聴き、雨が降り
始めた日曜。ホットウィスキー片手に、第一話に出てきた
女性が、再び登場した最終章「美しい年齢」を静かに読み終え、
本を置いた。

-薔薇をもとめてきたのではないが、そこに薔薇があった-

※ホットウィスキー
  ティーパック、シナモン、クローブ、砂糖、ウィスキー、湯

by don-viajero | 2013-11-10 14:25 | | Comments(0)
2013年 10月 20日

犬派or猫派

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猫の人形がないので「だんじり虎」さんで‥‥(笑)

就学前、ご近所さんちから貰ってきた子猫を飼って以来、
猫とは縁がない。特段嫌いではないが、どうも好きになれない。
結婚する前まで実家での飼い犬は2匹。

結婚後はグレー交じりの柴犬「ドッグ」。家出をされて、行方不明に
なってしまった。その後やってきたのが真っ黒「マック」。

小犬のころは耳が垂れてコロコロしていて、ちょうど首の下だけに
三日月の白が混じっていた。そんなとき訪れた友人に
「Mさん、小熊飼ってるの???」な~んて言われたものだ。
11年間、家族に愛され、家族と共に過ごし、最後はガンを患って
しまったが、死に際を看取ってやれた。ミックスであったが、
とても賢い犬だった。

『犬から聞いた素敵な話』山口花・著
第一章は飼い主から愛犬へ、第二章は愛犬から飼い主への全部で
14編からなる物語だ。

犬を飼ったことのある者には、一つや二つ琴線に触れるような
物語に出くわすはずである。

by don-viajero | 2013-10-20 19:32 | | Comments(0)