陽気なイエスタデイ

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2011年 07月 19日

静かな休日・Ⅰ

7月に入ってから、日中の暑さを避けるように、
夜の間に冷やされた空気を気持ちよく吸い込み
ながらの早朝ランニングに切り替えた。
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日の出前を茜色に染め、見事な朝焼けを演出して
くれた空では、東山から昇ったばかりの太陽が、
雲間を通して「天使の梯子」を地上に投げかけている。
道端の大きな葉っぱの上では、夜露で集められた
水滴がコロコロっと滴り落ちる。
それでも夏の朝は早い。太陽がみるみる上へと
昇ってゆく。
一時間半のランも終了間際には、日に照らされ
始めたアスファルトが、早くも熱を放出するように
モァ~とした塊を燻らせる。

田んぼの作業も、地区役員の仕事も、ましてや
何の予定も入っていない静かな休日。
ランでたっぷりと吹き出した汗に飽き足らず、
腹筋、腕立て、ダンベルとで一週間で貯まって
しまった老廃物をとことん搾り取る。‥‥続く

by don-viajero | 2011-07-19 20:33 | Run | Comments(0)
2011年 03月 23日

「お~い」

その日は朝から暖かな陽光に満たされていた。

「お~い!お~い!春だぞぉ~!」
どこからか、そんな声が聞こえてきそうな気配が
漂っていた。足元の落ち葉のなかから、ちょこんと
福寿草が黄色い花びらをキラキラ耀かせ、小さく
顔を出していた。
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春は四季のうちでも、最も奇妙な感触をもつ季節だ。
それまでの雪から替わった冷たい雨の滴が、柔らかな
温かみを含むようになり、ふわ~としたなめらかな
風とで、草や樹木や昆虫や動物を凍てついた眠りから
優しい目覚めへと誘(いざな)う。

手品師が色とりどりの絹のハンカチを、その手のなかから
紡ぎ出し、鮮やかなマジックを披露してくれるように、
素っ裸のまま不細工な固い蕾を抱えた武骨なまでの枝が、
ある日突然、溢れんばかりの花を咲かせてみせる。

眠りから覚めた虫たちが蜜を求め、花々を飛び交い、
小鳥たちがざわつき始める。
それはまるで、春という季節だけが持つ魔法のようだ。

春の香りをほんのり含み、辺りにたゆたう甘い空気を
胸いっぱいに吸い込む。
-さぁ!今日はいつになく気持ちよく走れそうだ!
 ちょっと、遠回りでもしてみようか!-
独り言を呟き、ふんだんに春の陽気を振り撒いている
景色のなかへ、軽やかに走りだしていった‥‥。

あの日から雪が降った日もあった。そんな日の夜空は
凍りついて固く、闇はしんしんと深い。だが春はもう、
ドア一枚を隔てたところにまで来ている‥‥。

by don-viajero | 2011-03-23 21:59 | Run | Comments(0)
2011年 01月 09日

真冬のラン

昨日は、今シーズン最高の冷え込みだった。
朝6時の室外温度計は-10℃を指していた。

見上げる冬の有明山が、人間なんて小さな
物体を小バカにしたようにそそり立ち、キーンと
冷え込んだ景色は、視界に入るアルプスの
すべての山々が威圧してくる。
雲一つない空間には、遠く真っ白に雪を被った
爺ヶ岳、鹿島槍、五竜、白馬槍、杓子、白馬、
白馬乗鞍まで見渡せる。

10時少し前、家を出るときにはまだ-5℃。
吐く息が白い。まるで瞬間冷凍された空域を走り
始めたようなものだ。念入りに準備体操をした
身体なのに、顔は強張り、脹脛や腿の筋肉が寒さに
引きつっている。周りの冷気がランニングの邪魔を
しているような気さえしてくる。

それでも、数キロ走りこんだあたりから、身体は解れ、
無風のなかを快調に走る。奥深く冷気を吸い込んだ
肺は、気持ち良さそうに次々と新しい酸素を吸い上げる。
真冬の冷たい空気が身体をクリアーにしてくれる。
道端では、さらさらと冷たく渇いた風が、枯れ果てたまま
突っ立っているススキの穂を静かに揺らしている。

11時半、家に辿り着いたときでさえ、室外温度計は
まだマイナスの域を出ず、-1℃を指していた。

昨年暮れに買った冬用トレーニングウェアのなかや、
ニット帽子のなかの髪の毛は汗でビッショリ。

今年初めての安曇野でのランニングだった。

by don-viajero | 2011-01-09 18:57 | Run | Comments(0)
2011年 01月 03日

初春の陽光

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

先ほど、多摩川堤防道路での今年度初マラソンを
終えたところです。

穏やかで暖かな朝、川べりではラジコンを飛ばす
親子や凧揚げを楽しむ子供たち。そして私のように
ランニングで汗をかく人々。ゆっくり散歩をしている
お年寄り。脇をさっと過ぎ去るロード自転車族。

見上げれば、青空に大きなV 字型の巻層雲が浮かび、
ランニング終了のころには形を変え、大きな
グローブのような塊になっていた。
格段、何かの勝利に向かわずとも、大きな
グローブですべてを受け止めてくれるような
一年であって欲しいものだ。

あたり一面、初春の陽光に照らされ、幸せが
あちらこちらに撒き散らされているようだ。
川面では陽光に誘われたのだろうか、魚まで
飛び跳ねている。

2011年、始まったばかりである。

by don-viajero | 2011-01-03 10:23 | Run | Comments(0)
2010年 12月 05日

初冬

浮かぶ雲一つなく、抜けるような静かな青空の
なかを走り出した。
-体が重い!-

先週の日曜、風が強く、しかも突然小さな仕事が
入ったこともあり、ランニングを中止した。
帳尻合わせに別の日にと思っていたのだが、
忙しくてそんな間がなかった。二週間振りになる。
吐き出す息や前に運ぶ足に疲れが滲む‥‥。

それでも数キロ走ったころから、キンと冷え込んだ
空気が肺の隅々まで冷やしてくれ、飛び込んでくる
すばらしい景色が、いつもの快調な走りを
取り戻してくれた。

無風の空気は、僅かではあるが徐々に温まり
始めたものの、静かな田舎道をスピードを上げて
擦れ違う車の残した風は、全身をブルっとさせる
冷たさがある。

春からずっと楽しませてくれていた畑の花々は
何もなくなり、道端には枯れ色のススキや
ネコジャラシたちが、賑やかにすっくと立っている。

お気に入りの林間コースでは、すっかり裸になって
しまった木々が、弱々しい光に照らされ、骨のように
交錯してアスファルトの上に影を落としている。

12月に入って、金曜に雨が降った以外、安曇野は
清廉(せいれん)な青空を提供している。
南側に面した田んぼの土手に、可愛らしい二つの
西洋タンポポを見つけた。

暖かな初冬の陽に照らされ、精一杯黄色に輝いていた。

by don-viajero | 2010-12-05 15:14 | Run | Comments(0)
2010年 10月 31日

晩秋ラン

朝、確認したヤフーのピンポイント天気予報では、
午前中どっ晴れで、気温も10℃を越えていた‥‥。
パッチワークを貼り付けたような、紅葉に染まる山々を
眺めながらの爽快なランニングになるはずだった‥‥。

家を出るときには、ポツリポツリ少しばかり落ち
出していた。寒くないのに、白い綿を纏ったような
小さな雪虫が舞っている。
走り始めてしばらくすると、体がやけに軽く感じる。
-少し遠回りでもするか‥‥?-

霧に噎ぶ高原のように、雲が山裾まで迫っていた。
次第に暗くなってきた空は小糠雨に変わり、本格的な
雨へと移っていった。

しとしととアスファルトを濡らす水滴と同様に、
晩秋を迎えた通りには、擦れ違う車の音以外、
静かな時間だけが過ぎ、ピシャピシャと地面を蹴る
音だけが後ろに流れてゆく。

ウェアーはびしょ濡れになり、被っている帽子の
ツバから落ちる雫は、額を伝う汗よりも多くなってきた。
雨のなかでのランニングは初めてだ。
捲し上げた腕に当たる雨粒に冷たさの感触を覚えた
ぐらいで、寒気はなかった。それよりか体の軽さのほうが
走ることを楽しんでいる。
いつものコースを外れ、2㌔ほど余計に走った。

帰路に向う途中小雨になり、山にかかっている雲が
明るさを増し、白んできた。

最後の100mほどの上り。下を向き、歯を
食いしばってのラストダッシュ後、息の弾む顔を
上げると、パッと一箇所だけ雲が裂け、陽の光が
山の紅葉を鮮やかに照らしていた。

by don-viajero | 2010-10-31 16:51 | Run | Comments(0)
2010年 09月 25日

今週は「The taste of autumn」から、雨が続き、
一気に気温も下がり「The deep autumn」と
様変わりしてしまった。でも、週末の今日ばかりは
誰もが頷く「The beautiful autumn」だった。
そして、二ヶ月ぶりの日中ラン。

広がる空は水のように澄み、季節の衣替えが
終わったことを教えてくれた。
山々が空との境をくっきりさせ、その姿を浮かび
上がらせ、すぐそこまで覆い被さるように迫ってくる。

道端の雑草のほとんどを占める、猫じゃらし
(エノコログサ)の影が、まるで生きている黒い芋虫の
ようにアスファルトの上で蠢(うごめ)き揺れている。
その中に紛れるようにくすんだ黄色で咲いている
‘バカの花’(アメリカセンダングサ)を見つけ、小学生のころ、
投げ合って服にくっ付けあったことを思い浮かべ、
口元が緩む。

刈り取られ、地肌が剥き出しになった田んぼでは、
ペアになった無数のトンボが優雅に飛び交い、
早い時期に穂を出してしまったススキが銀色に
輝いて靡(なび)いている。

つい、先日まで黄金色の稲と白い蕎麦の花が
絶妙に競い合っていたのに、いまでは、収穫を待つ
蕎麦の花だけが薄汚く映ってきてしまっている。

腹筋や腕立て伏せ、内旋筋運動を済ませ、首を傾け、
ポカリと浮かび、刻々とその形を変える雲を見上げる。
静まった心臓の鼓動を確かめ、目を閉じると、自分が
無になって空気に溶けてゆくような心地よさが広がる。

いままで凪いでいた秋の風が、どこからか、微かな
渇いた感触を残して汗で濡れた頭を撫でていった。
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by don-viajero | 2010-09-25 18:01 | Run | Comments(0)
2010年 08月 22日

夏の終わり

日中は相変わらず毎日30℃を越える温度になり、
厳しい残暑続きだ。
それでもいつまでも夏が居座っているわけではない。
早朝の草むらでは、秋の虫たちが気持ち良さそうに
羽音を奏でている。
確実に夏が終わろうとしている。

影の長くなった朝日に照らされ、たわわに実らせ
夜露を含み頭(こうべ)を垂れた稲は、山吹の色に
染まり始めている。

足元には、地上に出てきてたった一週間の命を
全うしたセミの死骸が転がり、ご馳走の如く蟻たちに
蝕まれている。
豊穣の稲の海に囲まれた場所で、実りの季節と
朽ちてゆく季節がまるで同居しているようだ。

広がる朝の空はどこまでも碧(あお)く、飛び交う
トンボたちが、季節の衣替えが始まったことを
教えている。

吹き出る爽やかな汗とともに、微妙に変わりつつある
風を捉える。
出始めたススキの穂がさわさわとなびき、ふわっと
小さな風のかけらが頬をくすぐるようになってきた。
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by don-viajero | 2010-08-22 15:32 | Run | Comments(0)
2010年 07月 25日

早朝ラン

あと数時間も経たないうちに、うんざりするほど大地を
照り焦がすであろう太陽は、まだ雲間に隠れている。
いつの間にか出始めた稲穂の先をさらさらと静かな
風が揺らし、遠くでは朝の早い農家が刈り取った土手の
草を焼く白い煙が、柔らかな乳色に染めている。

お気に入りの林間コースでは、子供らが小さいころは
夏になれば、毎朝のように連れ出して私がやっていたように、
数組の父親と子供たちの親子がカブトムシ捕りに夢中だ。

手作りの大きな木箱のなかでは、捕まえてきた何十匹もの
イッポンズやクワガタがガサコソガサコソ蠢いていた。
そして、夏の終わりを惜しむように一斉に放してやる。

先週、いつものように10時少し前に走り出したのだが、
無謀にも灼熱のギラギラ輝く太陽を軽んじてしまい、
10㌔ほど走ったところで、頭がフラフラしてきてしまった。
明らかに熱中症の初期症状に陥ってしまったのだ。
昨年、この時間帯に走っても何ともなかったのに‥‥。
当然、ランニング後の腕立てや腹筋、ダンベル運動も中止。

以前、調子の良さを理由に20㌔ほど走り終えてから、
膝を痛めてしまい、騙すように走ったり歩いたりして
以来味わった、屈辱のリタイアだった。

この暑さがいつまで続くのか判らないが、当分は
気持ちのよい早朝ランニングに切り替えることにしよう。

by don-viajero | 2010-07-25 19:25 | Run | Comments(0)
2010年 05月 22日

快走

明日の貴重な日曜日、拠所(よんどころ)ない仕事が
入ってしまったので、強引に休日にしてしまった。

一週間に一度の15㌔ランニング。
日曜日に雨が降ったり、何らかの理由で走れなくとも、
帳尻合わせのようにして、他の日を割り当てる。
一つの休日を空ければ、15日間、半月走らないことに
なってしまう。走ることが趣味とまではいかなくとも、
ある種の強迫観念に駆られる‥‥。
また太ってしまうのではないか?‥‥と。

録画された映像を繰り返し流しているような休日の日課だ。
しかし、その都度飛び込んでくる景色は、冬とは違い、
一つとして同じ波が寄せないように、日々表情を変えている。

晴れれば初夏を通り越して、真夏を思わせる陽気だ。
一気に黄色い松の花粉が飛び交い、埃っぽいくせに
ほんのちょっぴり黄緑色の香りが溶けているような春の風。
週初めに水鏡のように澄んだ水を湛えた田んぼは、
表面をウグイス色に濁らせてしまっている。

ジグソーパズルのような木漏れ日が、途切れ途切れに
足元を照らしている快適な林間コース。両脇に広がる
森からは、小鳥たちの歌声が軽やかに響き渡り、
生い茂った葉の隙間を縫うようにしてその影がよぎる。

昔、それが耳に入ると聴こえなくなってしまうと脅された
タンポポの綿毛もほとんどどこかへ飛び去ってしまい、
連綿と子孫を広げている。後に残されたものたちは、
みすぼらしく雁首を揃え、坊主頭をさらしている。

いっときの花々の競演は彩りも失せ、替わりに様々な色の
ツツジが通りを飾っている。
快調に走り終え、我が家の木陰を覗けば、今年も楚々とした
著莪があちこちに咲き乱れ始めた。

参:「ダイエット」

by don-viajero | 2010-05-22 20:08 | Run | Comments(2)