陽気なイエスタデイ

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2008年 11月 25日

テーマソング

若いころ、山仲間が言った。
「俺のテーマソングはチャック・マンジョーネの
 ‘サンチェスの子供たち’なんだ。」
なるほど『テーマソング』に相応しい。
ただ、出だしがどことなく‘太陽にほえろ’に
似ていないでもなかった。
それならば、自分もなにかこれといったものを
決めようとず~っと思案していた‥‥。

学生時代、銀座で休日歩行者天国が始まったころだ。
友人と物見遊山で出かけた。
どういう経緯(いきさつ)だったか忘れてしまったが、
あるレコード店でジョージ・ハリソンの
‘Here Comes The Sun’のシングル盤をもらった。

それ以来、ジョンとポールの陰に隠れ目立たなかった
ジョージ・ハリソンが気になっていた。
解散後、シタール奏者・ラヴィ・シャンカールと行動をともにし、
‘バングラデシュ’で大ブレーク!

あの自分の『テーマソング』のこともすっかり記憶の
彼方に消え去っていた1987年のある日、
リメイクされた‘Got My Mind Set On You’が
ラジオから流れてきた。
‘君に狙いを定めたよ 他ならぬ君に’
-これだ!-って思ったね!

そして一昨年、アサヒスーパードライのBGMで
この曲が流れていた。

今ではランニングの直前、お決まりの‘ロッキーのテーマ’と
この歌を聴いて走り出すのだ。

by don-viajero | 2008-11-25 20:19 | Run | Comments(4)
2008年 11月 22日

大人になって、どんなに気丈な人間でも、
幼いころは泣き虫だったに違いない。

かく言う私は大いに泣き虫だった。
親に叱られ、兄弟のいる者は兄や姉に泣かされたり、
友だちと喧嘩したり‥‥。

私も二つ離れた姉との喧嘩で、年下の特権で
大声をあげて泣きわめいたことだろう。
揺籃期においては、それが一種の自己主張なのかもしれない。

‘ワンワン’泣かなくなったのは小学校の高学年に
なってからだろうか?

若いころ、失恋をしても友に励まされ、
その涙は酒で誤魔化してきた。
そして、いつしか『時』が解決してくれた。

半世紀も生きてこれば、喜怒哀楽を抑える術(すべ)も
当然、具(そな)わってくる。

喜びの涙より悲しみの涙のほうが増えてくる。
避けることのできぬ身内や友との別れ。

本にしても、どちらかと言えば「清水義範」のような
抱腹絶倒ものを好んで読むのだが‥‥。

いままで、読んでいて涙する作品なんかなかったのに、
最近読んだ「重松清」にはポロっとさせられ、
目から涙がこぼれてしまった。
窓越しから見える安曇野の風景がにじんでゆれていた。

どうやら、歳を重ねるごとに涙腺がゆるくなってきたようだ。

by don-viajero | 2008-11-22 20:19 | | Comments(2)
2008年 11月 17日

ランニング

「一歳若返った!」
と言っても実年齢が減ることなんぞありえない。
体力年齢のことだ。

高校で山岳部に入部したころは、体力がなく
週何回かのトレーニングについていくのがやっとだった。
登り勾配のロードを数キロ走り、途中にある神社の境内で
腹筋、腕立て。再び傾斜のきつい道を走りこみ、
城址の山道をダッシュで一気に駆け登る。
心臓が飛び出るぐらいきつかった。
帰りは下りでそう苦しくはなかったが、
優しい?先輩たちに叱咤激励しごかれ、
徐々に体力もついてきた。

以前、触れたように私は「陸(おか)に上がった河童」である。
長距離走は速くなければそれなりに走りとおすことができた。

最上級生になってのある土曜の午後。
他の三年どもが理由をつけてサボったので、
いっちょ、後輩たちを可愛がってやろうと思い、
2時間ほど林道を走ろうと誘った。
しかし、結果はあまりにも惨めに終わり、逆に私のほうが
下級生に可愛がってもらう羽目になってしまった。

『ダイエット』で紹介したように涼しくなってからは、
10㌔ランニングを2㌔ぐらい増やし、
最近の3回は15㌔(約90分)走りこんでいる。
走り終えてもまだまだ身体には余裕がある。
トレーニング後の測定で、体力年齢がここ数回「41歳」と出るのだ。

そのうち、
「ホノルルマラソンに出場するぞぉ!」
と言い出しかねない、勢いのある体力と気力である。

by don-viajero | 2008-11-17 20:35 | エッセー | Comments(0)
2008年 11月 14日

晩秋

昨日の安曇野は雲ひとつないどっ晴れ!
晩秋の暖かな日差しはまさに『小春日和』。
今年は雨が少なかったこともあり、とりわけ紅葉が見事だ。

今朝刊の毎日新聞『余禄』から。
「欧米でもこの時季の同じような陽気は春よりも夏に
たとえられている。米国では『インディアンサマー』、
欧州では『老婦人の夏』や『女の夏』、聖人にちなんだ
『聖ルークの小夏(リトルサマー)』、『聖マーチンの夏』
といった言い方もある。
『小春』はもとは中国の言葉だが、小さな春や夏という発想も共通だ。
訪れる厳しい冬を目の前にした穏やかな好天である。
それをいつくしみ、ささやかな奇跡を思わせる名前をつける発想は、
偶然にも洋の東西で共通している。暮らしぶりは違っても
冬支度を急ぐ人の琴線に起きた共通現象だろうか‥‥。」

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そして、夕暮れもとっぷりと暮れた東山から昇る真ん丸の満月は、
天中にさしかかるころには、冴え冴えと辺りを冷え込ます
凜とした空気とともに煌々と輝いていた。

これから山々は白い衣を重ね纏い、色褪せた葉は大地へ帰り、
厳しく静かな冬を迎え、ここに暮らす人々と同じように、
新たな春を待ちわびるのであろう。

by don-viajero | 2008-11-14 21:13 | エッセー | Comments(0)
2008年 11月 10日

男の料理

学生時代、自炊をしていたこともあり、
料理を作ることには抵抗がない。
私の周りでも、こと料理に関して五月蠅い男衆が結構いる。
いまに「男子、厨房に入らず」なんて言葉自体、
死語になってしまうかもしれない。
あのころのことを思えば、それなりのキッチンもあるし、
なんといってもお金に余裕がある。

子供のころからカツ丼が好きだった。
ただし、ソースカツ丼だけは決して食べない。
あれはカツ丼の邪道である。
やはり、卵とじカツ丼が王道であろう。

たまに親に連れられ入った食堂(当時、レストランなんて
洒落た場所へは行ったことがなかった)でも、
ほとんどといってよいほどそれを注文した。
これは大人になっても続いた。
ただ、しっかりと味を覚えるようなってからは、
店を選ぶようになっていた。

以前、私の街にもおいしいカツ丼が食べられる店があった。
しかし、店主と些細なことでもめてから、その店には
行かなくなった。(現在、閉店して別な商売をしているが‥‥)

そんなこともあり、今では自分で作る。
ちょっと前までは、スーパーや揚げ物屋で買ってきたトンカツを
利用していたのだが、なかなか納得いくものができなかったので、
ちゃんとした肉(安物は駄目!)を購入して、いちから作っている。

脂身に包丁を入れ、のばしたあと刻んだ玉ねぎとともに日本酒に
5分ぐらいつけておく。その後、キッチンペーパ-で拭き取り、
ニンニクをすり込み、塩コショウを振り掛ける。
あとの工程は定石通りだ。
煮込み汁は先ほど使った日本酒、だし、醤油、みりん、砂糖
そして水を加える。

お供にプレミアムを添えれば、さながら高級店のカツ丼を
味わっている気分になれるのである。

by don-viajero | 2008-11-10 20:28 | 男の料理 | Comments(2)
2008年 11月 07日

超短編小説 『老人の楽しみ』

-ツル‥ ツル‥-
退屈な独り住まいの家に電話の音が響く。

「もし、もし。」
「俺、俺だよ!」
「あぁ、和夫かい?」
「そう、そう、和夫だよ!」
「和夫!また何かやらかしたんか?」
「‥‥?」
「お前が祖母(ばぁ)ちゃんに電話してくるときは
 決まって悪さしたときだもんな!
 で、今度は痴漢でもしたのか?
 この前は、自動車事故。
 その次は、会社の金を使い込んだ。
 悪いことは言わん!
 祖母ちゃんと警察に行こう!
 一緒に付いて行ってやるから‥‥。」
「‥‥。」
「和夫!どうしたんだ!」
プツン!と切れた。

-フッフッフ、楽しみが一つ増えたわい!-

by don-viajero | 2008-11-07 20:31 | 超短編小説 | Comments(0)
2008年 11月 03日

超短編小説 『手術室』

麻酔をされ朦朧とした意識のなかで、
微かに目に飛び込んできたのは、
手術服に身を包んだ小学校の同級生だった妙子。
同じ服装で隣にいるのは、やはり同級生だった弘樹。

妙子が自己紹介する。
「脳外科の山本妙子です。
 これから貴方の脳にある腫瘍を撤去します。」
続いて弘樹が、
「心臓外科の中野弘樹です。
 脳手術と同時進行で心臓バイパス手術をします。」

二人はマスクをかけ、妙子の手には電動ドリル、
弘樹の手には鋭利なメスが握られている。

-そんなバカな!お前ら俺よりあんなに
 成績が悪かったのに‥‥。なんで医者なんだ!
 こんな手術、きっと失敗するぞ!
 ヤメロ!ヤメロ!止めてくれぇ~~~!-

-ウィ~ン ウィ~ン-
電動ドリルのスイッチが入れられる。
-ギャァ~~~~~!-

目が覚めた。
心臓が高鳴り、体中脂汗でビッショリだ。
頭と枕に挟まれてラジオのイヤホンがゴリゴリあたっていた。

-そういえば、最近人間ドッグを受けていないなぁ!
 近いうちに予約しよう!-

by don-viajero | 2008-11-03 20:43 | | Comments(0)
2008年 11月 01日

ウズベキスタン・Ⅴ

昨夕の雷雨が、すっかり空の塵を洗い流してしまったような
真っ青な空。まさに『青の都』に相応しい天気だ。
青空の下、ブルーのドームがあちこちで輝いている。
どこからともなく聞こえてくるコーランの祈りに、暫し耳を傾ける。

ゆっくり朝食をとり、部屋のベランダから辺りを眺めていると、
下からあの青年・ショコラ君が大きな声でこちらを見上げている。
表に出て彼と彼の友だちたちとロシア語を交えて話す。

この国に入国して、ぜひとも購入したいものがあったので、
どこか手に入るところがないか尋ねると、
新市街の遊園地近くの店ならあるかもしれないと教えてもらった。
彼らと別れ、観覧車が見える場所までくると、洒落た店舗が並んだ一角に、
私が求めていた帽子が見つかった。
それまでの街中で売られていたものよりはるかに良品だ。値札$17。
いつものように値切ってみたのだが、一銭たりともまける気配なし。
すっかり気に入ってしまったので、値の通り買い求めた。
一人、その帽子を被り悦に入る。
これは今でも冬になれば愛用している代物だ。

再び旧市街に戻り、昨日見学できなかったレギスタン広場の
メドレセを見て歩く。
その後、裏道を通り抜け、バザールへ向かう途中、
子供たちに写真をせがまれ、そのままその子たちの家に招かれる。
なんとおばちゃんたちがテーブルにご馳走を並べ、
昼間からシャンペンで酒盛りをしているではないか!
仲間に入れてもらい、すっかり馳走になる。
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さすが遊牧民の末裔である。さしづめ
私はもてなされる客人になったのだ。
おばちゃんたちに囲まれ、
訳のわからぬ茶話に花を咲かせる。
二時間ほど酒宴のお供をしていた
だろうか?彼女らに別れを告げ、
再びアフラシャブの丘に登る。

夕闇のせまる美しい街。
沈みゆく太陽に照らされ光り輝く青のドーム。
さきほどの家族との触れ合い、そしてショコラ君の歓待。
非日常的な素敵な出合い。
あらためて遠く古のシルクロードへ、サマルカンドに来たものだと
身にしみて感じるひとときである。

この街の空気を支配している独特な香辛料の匂い。
シャシリクを焼く店から立ち上る煙。
各々の店に並ぶいろいろな品物、集まる人々の容姿、装い、
飛び交うさまざまな言語。そこは民族のるつぼと化したバザール。

すべてが蠱惑の香るシルクロードなのだ。

by don-viajero | 2008-11-01 19:51 | Uzbekistan | Comments(2)