陽気なイエスタデイ

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2010年 04月 29日

移ろい

季節はずれの雪が降ったり、先日東京では4月の
史上最高雨量を記録したり、いまだに朝晩の寒さが
堪(こた)えるような、方向性を見失ってしまった
天候が続いている。

毎日曜、ほとんど欠かさぬフルトレの朝、
律儀に毎年忘れずに訪れるオオルリが、
その鮮やかなブルーの姿を見せびらかすように、
我が家の川辺にやってきた。
あっちの枝、こっちの枝へと飛び交い‥‥
「春だぞぉ~!」、「春だぞぉ~!」。
(オオルリのさえずり)
鳴き声の「春告げ鳥」がウグイスならば、
姿の「春告げ鳥」のように‥‥。

ヒタヒタと走る道中には、この時季には珍しい、
冷たく頬を叩く北風に煽られ、長いこと楽しませて
くれていたソメイヨシノの花びらも、地上に舞い降り始め、
踏みしめる足元には、花散らしの花びらが寄り添うように
固まっている。
モンシロチョウもどこか、頼りなげに羽ばたいている。

目を落とせば、黄色い西洋タンポポも綿毛に姿を替え、
未知の世界へと飛びたたんとしている。
家々の南に面した庭には芝桜の白、ピンク、真紅、紫の
可愛い花々がぎっしりと咲き誇っている。

目に鮮やかな黄色の世界は、レンギョウからヤマブキへと
主役の座が代わろうとしている。

遅々と進まぬように思えても、季節は確実に一歩一歩、
春に向っている。

by don-viajero | 2010-04-29 19:58 | Run | Comments(0)
2010年 04月 27日

わさびの花

あの「辛さ」からはとても想像できない可憐な花だ。
季節の旬がもたらしてくれる「技」かもしれない。
この時季になると、毎年作ってみるのが、お酒の肴に
最高に旨い「わさびの花」のお浸しだ。

その「辛さ」の楽しみは子どもたちには解らぬ、
大人だからこそ味わえる浮遊感かもしれない。
そんな「わさびの花」の虜になって久しい。
今春も再会した、白くて清々しい可憐な花の魅惑に
とりつかれている。

地元のわさび店でも、それぞれの店でいろいろな作り方を
紹介しているし、ネットでも「わさびの花 お浸し」で
検索すれば、ずら~っと出てくる。
作り方はどれも似たようなもので、以前からのやり方に
大差ない。しかし、いままで納得のいく美味しさが出来なかった。
それは、あのわさび特有の鼻にツ~ンと抜ける「辛さ」を
表現させるに足る味を出せずにいたからだ。

ところが、今回偶然開いたネットで見つけたやり方で
やってみると、ようやく「わさびの花」を愛でることが
できたと思える「辛さ」に巡り合えた。
(後日、探してみたのだがどこかへいってしまった‥)

紹介しよう。(一束の場合)
①洗って2cmぐらいに切り、ボールに入れる。
②塩を一つまみかけ、強く揉む(およそ半分の量になる)
③冷たい水で洗う。
④水分を切り、砂糖を二つまみ入れ、そっとかき混ぜる。
⑤タッパーに移し、沸騰したお湯をひたひたに入れ蓋をする。
⑤自然に冷まし、冷蔵庫に入れる。

この方法で四回やって、四回とも大成功だった。
当然、酒量も進む!?

by don-viajero | 2010-04-27 20:15 | エッセー | Comments(0)
2010年 04月 25日

とろとろチーズ

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ワインのお供に簡単な「とろとろチーズ」

材料
カマンベールチーズ       1個
ドライバジル・ドライオレガノ  少々
オリーブオイル         小さじ2
バゲット(フランスパン)    適量

①カマンベールチーズの白い皮の上部5mmほど水平に切り落とす。
②チーズを耐熱皿にのせてドライバジル・ドライオレガノを
 散らし、オリーブオイル小さじ2をかける。
③チーズがとろとろになるまで電子レンジに1分(500W)かける。
④バゲットを薄く切って溶けたチーズをつけて食べる。

超簡単レシピ!
今日、フルトレ後の昼食は、ポルトガルワイン片手にこれで決まり!

by don-viajero | 2010-04-25 06:41 | 男の料理 | Comments(0)
2010年 04月 22日

ポルトガルワイン

またまた購入してしまった!
前回は同種のワインだったのだが、今回は半ダース6本
すべて違うヴィニョ・ヴェルデだ。
「おまけ」にポルトガルの鰯の缶詰が一つ入っていた。

飲み仲間(11人)と遅かりし「お花見」を5月4日、我らが
「東屋」でやることが決まった。
ところが、みんなに振舞い酒としてとっておいた件のワインを、
久しぶりに帰省した娘と空けてしまったのだ。

今年は、まだまだ寒い日が続くらしいから、我が家の山桜も
ちょうどそのころ満開になるのではなかろうか‥‥。
しかも、山菜の帝王「コシアブラ」も食べごろの開き具合に
なるかもしれない‥‥。

ここで、ポルトガルワインの豆知識を披露しよう。
ポルトガルは国土が狭いのに世界11位の生産国だ。
その上、一人当たりの消費量は第3位に位置している。
ちなみに、2004年度世界1位、2005年度2位に消費量が
多いのが、ルクセンブルクだったには驚きだ。これには、
些か訳があり、周辺国に比べ付加価値税が低いことにも
由来しているらしい。
国別ワイン生産量・消費量(2005年ソムリエ教本)

ポルトガルでも結構ワインを生産しているのに、何故か
日本ではあまりお目にかかることはないらしい。
それは、ポルトガル人があまりにも美味しい自国のワインを
ほとんど飲んでしまうから‥‥と云われている。

戦国時代(安土桃山時代)1549年、フランシスコ・ザビエルを
乗せたポルトガル船が日本に上陸し、薩摩の島津貴久に
「珍陀(ちんだ)酒」と呼ばれる酒を献上した。
前述したポルトガル語の赤ワイン(ヴィニョ・ティント)。
このティントが「珍陀」となって伝わったらしい。
この「珍陀酒」こそが、日本で初めて輸入された赤ワインとなった。
また、ザビエルは時の権力者・織田信長には二樽の「珍陀酒」を
献上したらしい。

by don-viajero | 2010-04-22 20:10 | エッセー | Comments(0)
2010年 04月 19日

秀作・凡作・駄作/Ⅱ

毎朝、チェックする写真ブロガーがいる。
まったく見ず知らずの人だ。たまたま見つけたブログだった。
(ほぼ毎日更新している)開いた途端飛び込んでくるすばらしい
写真とともに、言葉少なに添える文章。
その彼が薦めていたのが宮部みゆきの『孤宿の人』。

宮部みゆき作品は、どちらかと云うと食わず嫌いだった。
以前紹介('08年・2月)した故・北林一光『ファントム・ピークス』
(第12回松本清張賞最終候補作品・応募時
『幻の山』)を絶賛していたのが、当時選考委員をしていた
宮部みゆきだった。このとき、彼女の作品を一度読んで
みようと思っていたのだが‥‥。

さて、その『孤宿の人・上/下』。
阿呆の「ほう」と名づけられ、数奇な運命に翻弄される
純真無垢な一人の少女の物語だ。
私自身、こんなにも長い時代物を読むこと自体
珍しいことで、振り返れば吉川英治の『宮本武蔵』以来では
なかろうか‥‥。
時代物を苦手とする者にも「上」は退屈させない展開で、
「下」で粛々と物語が終息へと向かう。「上」のしっかりした
下ごしらえがあってからこそ、成り立つストーリーだ。
この「上・下」一気に読み終え、不覚にもラストシーンでは
大泣きしてしまった‥‥。

昨年、安曇野市在住者・遠藤武文氏が受賞した
『江戸川乱歩賞』。受賞作の題名は『三十九条の過失』。
その作品を高く買っていた選考委員の一人、東野圭吾によって
改題されて出版された『プリズン・トリック』。これはかなり
興味があったのだが、アマゾンでの読者評価は燦々たる
ものである。安くなったら購入してみようと思っていたのだが
やめた。

読者すべてに支持される作品と云うものはかなり難しい。
それぞれの作品を読んだ者が秀作だと思えば秀作であり、
駄作だと思えば駄作になるのだろうけど‥‥。一介の読者が
駄作だと決めつけてしまうのがおこがましいのなら、
それは失敗作と云ったほうが正しいのかもしれない。

これからも、私自身が秀作と思える作品に巡り合える
ことを楽しみにしよう‥‥。

by don-viajero | 2010-04-19 20:29 | | Comments(0)
2010年 04月 17日

秀作・凡作・駄作/Ⅰ

アマゾンから購入する格安の本のすべてが満足のいく
作品かというと、そうでもないものもたまにはある。
読者の「満足度」や書評を吟味して選ぶのだが‥‥。
ただ、書店で見かける帯の仰々しい宣伝文句に
煽られることだけはない。

5段階評価の「満足度」が1~5に散(ばら)けているのが、
一番頭を悩ます。それでも、かなり安いユーズド物なら、
-え~い!買っちゃえ!!!-
てな具合で「1‐Click」をEnterしてしまう。

伊坂幸太郎の『砂漠』。
彼のどの作品でも見られる、読み手をグイグイ引き込む
テンポの速い小気味よさがなく、事象を並び立てるのに
冗長とし、何度放り投げようと思ったことか。
並行して読んだ『ゴールデンスランバー』とは大違いだった。
こちらは全編を通して、脇役の森田森吾が口ずさむ
ポールの歌が、耳の奥から流れてくる、滑らかな
軽快さに心地よく酔わせてもらった。

その前は重松清の『疾走・上/下』。
彼の作風は結構重たいテーマを扱うのだが、これは読後、
どっすんと胸の奥に嫌な重みだけが残った。
「上」では彼を知っている者にとっても、面白いと
読み進んでいったのだが、「下」がいけない。
これでもか、これでもかと繰り返される、反吐が出るような、
性描写。全体を通して彼らしい作品なのだが、しつこく
現れるその場面がすべてを壊してしまった。
あの『その日のまえに』で落涙を禁じ得なかった作者とは、
悪い意味での隔世の感は否めない。

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*ABBEY ROAD/GOLDEN SLUMBERS

by don-viajero | 2010-04-17 21:26 | | Comments(2)
2010年 04月 17日

なごり雪&さくら

なんということだろう!

目を覚ましカーテンを開けると、
外は真っ白!
季節自身が方向性を見失ってしまったかの
ような天候だ。

おかげで今年は、いつもの年より里のさくらが
長いこと咲いている。

私の敷地にある老木の山桜たちも、この雪で
一呼吸つぼみを開かすことに躊躇してしまった
のではなかろうか‥‥。

さくらとの付き合いがへたくそな私も、
今年はさくらにいろいろ遊んでもらっている。

今朝、ラジオからイルカの「なごり雪」が
流れていた‥‥。

by don-viajero | 2010-04-17 06:58 | エッセー | Comments(2)
2010年 04月 15日

ワイン

ポルトガルの旅でよく飲んでいたワインを、どうしても
飲みたくなった。ちなみにポルトガル語で赤はVinho tinto
[ヴィニョ・ティント]、白はVinho branco[ヴィニョ・ブランコ]。
なかでもほとんどの食事でお供にしたのがVinho Verde
[ヴィニョ・ヴェルデ]「緑の(若い)ワイン」。名前の通り、
完熟前のブドウから造られる。そのため酸味が強く軽い炭酸を
含む、爽やかな口当たりの微発酵白ワインだ。

初めてワインを口にしたのは、おそらく鳥井商店初の商品・
甘~い「赤玉ポートワイン」だったのだろう。
昔、母が造った不味い非合法葡萄酒も覚えがある。

数年前まで毎月催されたワイン会。
ちょうどワインブームのときだ。ペンションオーナーの奥さんが、
ソムリエの資格を取ってから、少ない会費で珍しいチーズや
美味しい黒パンも出され、様々なワインを味わえる。ただ酔えば
いいんだなんて自覚しかない私でさえ、カッコをつけて
薀蓄を並べ立てたものだった。

さらに古くは青春時代。
新宿伊勢丹の近くに、十勝ワインのスタンドバーがあった。
じゃがバタをツマミに、樽から直接ジョッキに注がれる200円の
ロゼをグビグビ飲む。気取った飲み方なんかしなくていい。
彼女との待ち合わせで、ここで一杯ひっかけて別の飲み屋に
繰り出す。昼間から開いていたので、新宿へ出たときなんか、
一人でもよく入った。

さて、件(くだん)のポルトガルワインは、私が住む田舎では
あるわけがない。便利なネット通販で半ダース注文した。
どうも、カミさんには馴染まない味のようなので、
一人静かに、ファドを聴きながら飲んでいる。グラスのなかで
次々と弾けてくる小さな泡が、ポルトガルの旅を思い起こさせる。

後年、一人で新宿へ出た折、あの場所に行ったのだが、
その懐かしいガラス張りの姿はなかった。一つの時代が終わり、
私自身の歴史も剥ぎ落とされてしまい、まるでどこを探しても
見つけることのできない落し物でもしてしまったような、
そんな錯覚に陥った‥‥。

*彼女=今のカミさんです!今も昔も同じカミさんですが(笑)
*「赤玉(SUN)+鳥井」⇒サントリーの由来

by don-viajero | 2010-04-15 19:57 | エッセー | Comments(0)
2010年 04月 12日

超短編小説 『こぼれ桜』

君がまだ幼かったころ、母親の背中で
ねんねこ半纏に包まれて、寒い日に観た、
満開の桜を覚えているかい?

そこは、町で唯一の桜が咲き乱れる公園だ。
その日は、アルプスから吹き降ろす風が、
ものすごく冷たい日だった。

山葵田を見下ろす丘に陣取った大人たちは、
酒を酌み交わし、子供のようにはしゃいでいる。
カラオケなんかない時代だ。
地元の芸者衆も交え、寒さなんか吹き飛ばすような
盛り上がりだ。

君はハラハラと散る桜の花びらの行き先を
母親の背から眺め、無邪気に喜んでいる。

突然、手を差し出し掴もうとした。
小さな手の平には、薄いピンク色をした
数枚の花びらが、君に握り潰されていた‥‥。

あれから幾星霜。君は一人、あの丘に佇む。
その年は、例年にない3月の暖かさが、桜の開花を早めた。
寂れた公園の桜は、あのころと同じように咲き誇っている。
でも、そこにはもうあのころの賑わいはない。

大きくなった手の平には、いっぱいのこぼれ桜を
そっと載せている。大切な思い出を零さぬように‥‥。

君は、この町を離れ、この丘を離れ、もちろん、
母親の背中の温もりとも離れ、生きてゆくのだ。

君の見上げる故郷の空は曇っているが、その空は
明るく、雲の切れ間から陽光が幾筋も射している。

あのときと同じように、無邪気に笑う17歳の君の頬に、
すっかり春めいた風が通り過ぎていった。

by don-viajero | 2010-04-12 19:57 | 超短編小説 | Comments(0)
2010年 04月 10日

ドッジボール

放課後や給食休み、ときには先生の都合や何かのご褒美で、
授業を自由時間にしてもらい、われ先にと校庭に駆け出した。
そのころは、みんなで出来るドッジボールが流行っていた。
何人集まったっていい。半分にして戦えばいいだけだ。
しかも、ドッジボールは体育館でやるものではなく、
広い土の校庭でやるものだった。男女とも入り混じって‥‥。
小学校四年生から六年生までかな‥‥。

いまでは、日本ドッジボール協会なるものまであり、
我々の大好きだった遊びは、厳格なルールが確立され、
体育館で行う試合へと進化した。
「Dodge」‥‥かわす

まだ、思春期の鎧を纏うほどでもなく、「無邪気さ」や
「幼さ」の残っている、ふわふわとした年頃の少年や少女が、
甲高い声をあげながらボールを追う姿は、命が丸裸になって
駆け回っているようなものだった。

同級生がみんな同じ道に進むことなんかありゃしない。
クラスメイトの友情は永遠ではない。
中学に進級してクラスが分かれればそれまでだ。
中学を終えれば、違った高校や実社会に出る者もいる。
それぞれの節目にある、大きな分かれ道が「で~ん」と
口を開けて待ち構えている。

古いものを「かわす」ようにして、新しいものに馴染んでゆく。
新しい友を得、そして、古い友を失ってゆく。

クラスみんなが、ひとかたまりになって楽しくやったと
思っていたドッジボールも、病気か何かで一緒に加われず、
静かになった教室の窓から、寂しげに元気なみんなを眺めていた
級友もいたかも知れない‥‥。

誰もが遠い未来なんか見ていなかったし、近くのものも
見えていなかったかも知れない。
セピア色にくすんだ「無邪気さ」や「幼さ」が、心や体から
少しずつ失せてゆく前の時間を思い出すとき、ふっと湧いてくる
ため息と苦笑いを、何故か一緒に呑み込んでしまいたくなる‥‥。

by don-viajero | 2010-04-10 20:37 | エッセー | Comments(0)