陽気なイエスタデイ

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2011年 09月 29日

内田先生

夢のなかで先生の授業を受けていた。
残っている頭髪を振り乱し、ツバを飛ばしながら、
熱心に授業を進めている。

『理科』という科目が好きだったし、当然よく
理解できた。だから、理解させてくれるような
教え方の先生が好きだった。

薄汚れてヨロヨロの白衣をだらしなく着込み、
赤ら顔をニコニコさせ、大机の上にビーカーや
フラスコ、試験管、アルコールランプの並んだ
各グループの実験を覗いて見て廻っている。
夢のなかではぶたれずに終わった‥‥。

教師にゲンコツの中指で脳天グリグリをされたことは
幾度となくあっても、ピンタを張られたのは初めての
経験だった。目が覚めたとき、あのときの痛みを
久しぶりに思い出した。

理科教室の空気が、瞬間冷凍されたように静まり
返った。そのとき、背後に立つ人の気配を感じた。
振り向くと目の前に、唇をワナワナ震わせた先生が
立っていた。無言のまま平手が飛んできた。
しかも、パシン!パシン!往復で‥‥。
冷凍された空気にバシっと亀裂が入り、砕け散った。
僕はしばらく呆然と立ちすくんでいた。先生は
黙したまま教壇に戻り、何事もなかったかのように
授業を再開した。

頬をぶたれた痛みは、記憶の底から掬い上げられ
ジンジンと胸の奥から沸き上がってきた‥‥。

by don-viajero | 2011-09-29 20:08 | | Comments(0)
2011年 09月 28日

ウラギンシジミ

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夢中になって地面を舐めていた。
口元に指を差し出すと、人懐っこく、気軽に移動してきた。
ひょっとしたら、昨年出逢った個体が越冬して、また来て
くれたのかもしれない?

by don-viajero | 2011-09-28 19:52 | エッセー | Comments(0)
2011年 09月 26日

味覚・観覚・魅覚

運動会を翌日に控えた孫たち(小学3年と1年)の
応援に、千葉の友人夫婦が馳せ参じた夕。
根室の友人から秋刀魚が届いた。早速、刺身に下ろす。
ボールに氷を沢山入れ、酢を少量たらし、下ろした
身を浸す。私の捌(さば)き方も上手くなったもんだ。

夕食に合流した息子夫婦が、採れ立ての松茸を
プンプン匂わせて、数本持参してきた。嫁さんの
父親が早朝、採って来た代物だ。我が家はすっかり
秋の『味覚』に溢れていた。

心配した雨も、地域で一斉に開催された子供たちの
運動会に遠慮したのか、午前中(熱中症発症のため
松本地方の学校では、今年度から午前のみになった)
なんとか我慢してくれたみたいだ。

競技の合間、白いナイロンテープで仕切られた保護者席
から、視点の定まらぬままあちこち眺めていた。
ひょっとしたら、虚空を見つめていただけかもしれない。
目の前を歩いていた二人の女の子のうちの一人が、
もう一人の肩越しに私を観た。私は観た。
一瞬カァ~っと照りつけた太陽に惑わされたのか、
小学校時代の同級生が弾ける笑顔を投げかけていた‥‥。

競技も無事終了して、PTA会長の挨拶。壇上に上がった
会長は、赤と白のドハデなストライプのTシャツで
「赤組、がんばった!白組もがんばった!!!」
会場は、彼の姿に、饒舌な語りに大きな拍手が沸き
あがる。そして、この地方独特のパフォーマンス
『万歳三唱』で締めだ。

秋の魅覚を堪能してくれた時間が流れていった‥‥。

by don-viajero | 2011-09-26 20:01 | エッセー | Comments(0)
2011年 09月 24日

一期一会の雲

8月下旬、歩くようなスピードで、ゆっくり南の
方から不気味な大きな渦を巻いて近づいてきた。
風は酔っ払いの吐息のように生暖かく、どっぷりと
湿気を含んでいた。

紀伊半島に甚大な被害をもたらした台風12号。
遠く離れた安曇野でも、低く垂れこめた雲は周りの
景色ばかりか、すべてのものを息苦しくさせるほどに
押さえつけていた。出遅れたセミたちが、雨の止む
束の間、騒がしく鳴いていた‥‥。
それが、一週間も続いた。

9月7日、この時季には珍しい朝靄が消え去ると、
真っ青な空が広がり、眩しい朝の陽光が、すっかり
長くなった影をくっきりと浮かび上がらせていた。
それは、季節の入れ替えを済ませたと宣言している
ような、静かで爽やかな一日だった。

そして、その翌日。
近くなのに、いまだに行ったことのなかった山奥の
古刹『泉福寺』を訪れた。
赤色の褪せたトタンで覆われた本堂の大きな屋根の上に、
素敵な「一期一会」の雲が広がっていた。

あれからの二週間、残夏と初秋の力が鬩ぎあっていたが、
秋分の日を境に両者の関係がはっきり決着した。
今朝、外の温度計の目盛りが一桁を指していた‥‥。
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by don-viajero | 2011-09-24 20:29 | エッセー | Comments(1)
2011年 09月 23日

レンゲ種蒔き・稲刈り・ハゼ掛け

9月初旬の長雨で、コシヒカリの田は水持ちのよい
ということもあり、田んぼの水がなかなか引かなかった。
その後の晴天続きを見計らい、9月13日稲刈り前の
田に入り、砂と一緒に揉み混ぜたレンゲの種蒔き。
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▲ レンゲの種
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▲ レンゲを空中に放り投げての種蒔き
9月18日、当初モチ米田の稲刈り・ハゼ掛けだけの
作業予定ではあったが、翌週からの台風情報があり、
かなりの人数も集まったので、コシヒカリも
「やっちゃおう!」ということになった。

まだ力を余した夏の日差しは、朝から強烈に照り続け、
ときおり吹く、刈り取り前の黄金色に輝く稲穂を渡る
秋の爽やかな風とで、まるで綱引きでもしているような
一日だった。すべての作業が終わったときには、すでに
日が沈みかけていた。
(コシヒカリのほうは手刈りではなく、2条刈り)
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▲ モチ米田の稲刈り
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▲ 一斉に並んで落穂拾い
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▲ コシヒカリ田のハゼ掛けも終了
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▲ レンゲの芽吹き
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▲ 稲刈り当日の朝焼け

by don-viajero | 2011-09-23 19:43 | ずくの会(米作り) | Comments(5)
2011年 09月 21日

Mexican Beer

f0140209_15214339.jpg 最後に、たびたび食事のテーブル上にお供として
 登場するセルベッサ『Bohemia』の紹介。

 スペイン語ではHは発音しないから『ボエミア』。
 これは衝撃的な美味しさでした。中身は355ccで、
 レストランではN$10前後、スーパーなどではN$8。
 ちょうど、そのころ日本で販売されていたキリンの
 『豊穣』に似ていて、落ち着いた大人の雰囲気が
 漂ったビールだ。フルーティな味わいに加え、
 麦の香りが高く、すっきりと飲み易いものでした。
 メキシコだけでなく、ヨーロッパでも数々の賞を
 受けたことは、一度飲めば頷けるものです。
 今年もキューバ行きの際、カンクン滞在中、心置きなく
 このビールを味わえたことは幸いでした。

by don-viajero | 2011-09-21 20:18 | Mexico | Comments(0)
2011年 09月 20日

Mexican Foods Ⅱ

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▲ オアハカの郷土料理で、トロトロに溶かしたチーズを
   トルティージャにつけて食べる、メキシコ風チーズフォンデュ
  みたいなカスエラ・デ・ケソ:N$20
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▲ グリーンソースをかけたカスエラ・デ・ケソ:N$30
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▲ オアハカ/レストラン・ラファンダ・デ・サントドミンゴ
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▲ ポジョ・エン・モーレ。直訳すると『鶏肉のモーレソースかけ』。
   モーレソースとはココアベースソース。ちょっと複雑な味:N$55

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▲ オアハカ/レストラン・マリア
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▲ メキシコ・シティーのレストラン・サントドミンゴ/チレス・エン・ノガタ。
   ピーマンのお化けみたいなものに唐辛子、豚のひき肉、アーモンド、
   バナナを詰めて生クリームをかけ、クルミ、ザクロでトッピング。
   そしてコリアンダーの葉をのせる。緑・白・赤でメキシコ国旗:N$150


by don-viajero | 2011-09-20 19:50 | Mexico | Comments(0)
2011年 09月 19日

Mexican Foods Ⅰ

地元の料理を味わうことも旅の楽しみだ。
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▲ サラダ(N$72)とソパ・デ・リマ(メリダの郷土料理で鶏肉の
   入ったライムスープ:N$52)

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▲ メリダ/レストラン・パンチョスにて
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▲ ポージョ・アル・エンチラーダ+パン+コーヒー(N$22)
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▲ パン・デ・カゾン(カンペチェの名物料理でトルティージャにツナをはさみ
   トマトソースをかけてある:N$50)

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▲屋台のトスターダス(トルティージャに肉などの具をはさみ油で揚げたもの:N$8)

by don-viajero | 2011-09-19 19:39 | Mexico | Comments(0)
2011年 09月 17日

Teotihuacán Ⅱ

『月のピラミッド』頂上からは、まるで私が独り占めしているかの
ような、観光客で賑わう前の静かなテオティワカンを見下ろす。
この薄っすらとした朝靄に包まれたなか、1600年以上も昔、
20万人もの人口を擁していたといわれる遺跡に思いを馳せる。
目を閉じれば、静寂のなかに『死者の道』を行き交う大勢の
人々の姿が、瞼の裏に浮かんでくる‥‥。

しばらくして、先着の私を確認して、いかにもガッカリした
顔を浮かべながら登ってきたアメリカ人の青年に声をかけた。
「I’m a first climber !
 And you are the second climber !」
一旦立ち止まった彼は、弾む息を押し殺してニコっと微笑んだ。
お互いに写真を撮り合い、私は次に登る『太陽のピラミッド』を
目指して降りていった。
彼にこの眺めを独占させてやるために‥‥。
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▲ 『太陽のピラミッド』
高さ65m、底辺の一辺が225mで、テオティワカンのなかでは
最大の建築物で、世界でも3番目に大きなピラミッドだ。
248段の急な階段を登りきると、そこには、爽快な眺めと風とが
待っていた。
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▲ 『ケツァールパパロトル(ケツァール蝶)の宮殿』
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by don-viajero | 2011-09-17 20:48 | Mexico | Comments(0)
2011年 09月 16日

Teotihuacán Ⅰ

メキシコ最後の訪問地は、テオティワカンと決めていた。

この巨大都市遺跡の大ピラミッド郡は、紀元前2世紀ごろ
テオティワカン人と呼ばれる人々によって建造された
ラテンアメリカ最大の宗教都市国家である。しかし、彼らが
いったいどこから来たのか、また8世紀ごろ謎の滅亡とともに
何処に消えてしまったのかは、今も解明されていない‥‥。
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ノルテ・バスターミナルから7時始発のロス・ピラミデス
(遺跡入口)行きのバスに乗り込む。観光客は数人。あとは
そこを職場としていると思われる客が数人。一時間弱で到着。
寒い!おそらく気温は10℃前後であろう。

この日、遺跡一番乗りの私は、太陽のピラミッドを横目で
通り過ぎ、月のピラミッドを真っ直ぐに見据え、逸る心を抑え
『死者の道』を一人静かに行進していった。
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▲ 『ケツァールコアトルの神殿』から望む『月のピラミッド』(手前右は『太陽のピラミッド』)
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▲ 『死者の道』から望む『月のピラミッド』
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▲ 『月のピラミッド』
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▲ 『月のピラミッド』頂上から左手に『太陽のピラミッド』。真っ直ぐに延びる『死者の道』

by don-viajero | 2011-09-16 20:15 | Mexico | Comments(0)