2010年 08月 29日
海に囲まれた島にいるわけではないから、当然 波の音なんか聴こえてこない。 それでも、風の囁きや川のざわめきは聴こえてくる。 べつに「モーニング・シャワー」→「朝シャン」のことを 書くつもりでもない。 ナベサダのLP『Morning Island』 をセットし、次に流す『California Shower』 も用意する。くっつけて『Morning・Shower』だ!(笑) 早朝フルトレをこなし、シャワーを浴び遅い朝食。 ベランダにロッキングチェアーを運び込み、 読みかけの本のページを開く。 揺れ動く木漏れ日が文字の上で踊っている。 部屋のなかから快適な音楽が流れ、目の前の 山桜やコナラの梢を小鳥たちがさえずりながら 飛び交っている。 昨日の激しかった夕立も手伝い、夜の間に冷やされた 秋の風が、山吹に色付き始めた稲穂を渡り、木の葉を 静かに揺らし、私の頬をやさしく撫でてくれる。 12の短編が収められた重松清『季節風・夏』。 一つ一つの物語が、涙腺からじわじわ湧き出し、瞼の裏に 溜め込んだものを、いまにも溢れさそうとしている。 そして、最後には「幸せ」の余韻を残して終わる。 『春』はすでに読み終え、『秋』も『冬』も未読のまま 作り付け本棚の空きスペースで横になっている。 山々が紅や黄色に染まり始めたら『秋』を、空が鈍色 (にびいろ)に覆われ、白いものが落ちてきたら『冬』を 開いてみようと思っている‥‥。 U字溝をザーザーと流れる水の音に混じって、遠くから セミの鳴き声が聴こえてきた。 今日も暑くなりそうだ。
by don-viajero
| 2010-08-29 10:39
| 本
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