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陽気なイエスタデイ

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2011年 03月 21日

超短編小説 『僕の家族』

-僕の家族を紹介します。
 家族思いのお父さんと、時々怖い顔で怒られるけど、
 とっても優しいお母さん。小学校5年生のお兄ちゃんと
 4年生のお姉ちゃん、そして2年生の僕の5人家族です。

 僕が生まれる前から、ず~っと毎年、夏休みには
 家族揃って海でキャンプをしています。

 その年の海でのキャンプの最後の夜、みんなでカレーを
 食べているとき、お母さんが突然、
 「来年はお兄ちゃん最後の小学生だから、みんなで
  ハワイに行こうか?」
 お母さんの横でビールを旨そうに飲んでいるお父さんは
 ニヤニヤしていた。
 僕ら子供たちは「わ~い!わ~い!やったねぇ!!!」
 大はしゃぎで騒いだ。

 ところが、夏休みも終わり、2学期が始まりしばらくして、
 お父さんが会社の健康診断で身体のどこかに異常が
 見つかり入院した。

 お父さんのいない寂しい食卓。
 お母さんが涙をいっぱい溜めて、
 「お父さん、死ぬような病気じゃないんだけど、大きな
  手術を しなきゃならなくなったの‥‥。それでね‥‥」
  お母さんは黙ってしまった。お兄ちゃんが言葉を繋いだ。
 「判ってるよ!お母さん!
  僕らハワイに行けなくたっていいよ! なぁみんな!」
 そう言って、お兄ちゃんがお姉ちゃんと僕に同意を求める
 ように睨みつけた。お姉ちゃんは黙って頷いた。僕は
 「夏のキャンプも止めたっていいよ!」続けてお姉ちゃんが、
 「そうだよねぇ!お父さんが帰ってきて、みんなが揃って
  食事ができることが一番だよ、お母さん!」
 そのとき、お母さんのほっぺたを伝って流れ落ちる涙を、
 僕らはそっと見ていた。-

私の住む市長さんがこんなことを宣言しました。
「合併特例債を使うことは権利です!」

国から与えられたアメを使っての事業が目白押しだ。
そのなかでも特筆すべきは、80億円をかけての
市庁舎建設です。単純に計算してもそのうちの3割、
24億円は自治体負担ですが、これすら周知していない
市民が半数もいるのです。

日本の今の惨状のなかでの発言です。とても悲しいし、
恥ずかしい‥‥。こんな首長がたくさんいる日本。
はたして再建可能なのか不安でたまりません‥‥。

私はこう宣言してもらいたかった。
「日本の有事です。
 今後使える合併特例債を被災地に廻そう!
 何年かかるか判りませんが、我々の市が我々の力で
 確固たる地盤ができたとき、そのとき市庁舎のことを
 考えましょう!」

文句を言う市民はそう多くはいないと思うのですが‥‥。

by don-viajero | 2011-03-21 20:24 | 超短編小説 | Comments(0)


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