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陽気なイエスタデイ

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2013年 03月 05日

昔日

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「Shadow」
あと一月ほどで私も還暦を迎える。齢(よわい)60年、これまで
大病もせず、ましてや入院経験も一度もない。よくぞここまで元気で
生きてきたものだと、我ながら感心の至りである。

青春を謳歌していた時代には-俺は歳なんかとらないんだ!-なんて、
実(まこと)しやかに信じていた時代。さすがにあのブルース・ウィルス
にはなってはいないものの、白いものが日々二乗の如く増えてゆく。

そういえば、つい最近厚労省から発表された平均寿命。男女とも長野県が
一位であった。しかし、この平均寿命数値もなかなかの曲者で、病院等で
薬漬けや、全身に管をつけられベッドに寝たきりの者たち、自宅や施設で
介護されている者たち‥‥etc。ただただ心臓が動き、辛うじて呼吸だけ
している者たち、すべてひっくるめての数字だ。長野県の“PPK運動”
よろしくピンピンコロリ予備軍者だけの統計だったら、どんなにか
心強いことか‥‥。

十年以上歳の離れた現役バリバリの方々と、地区の集会で接するたびに
-長老たちと比べりゃぁ、俺なんかまだまだ子供だなぁ-なんて思うこと
もしばしばある。歳を重ねただけで真の大人にはなれない自分がいる。

残念ながら人間、そうそう簡単にひと思いに、真の大人にはなれないもの
であろう。昔日(せきじつ)のなかには、愉快に過ごしたYesterdayも
あれば、忘れてしまいたい厭な想い出だけのYesterdayもある。そんな
青臭かった時代の自分との決別を図りつつ、望むと望まざるとに拘らず、
失われてゆくその青臭さに、どこか焦がれているものがあることも事実だ。

息子たちのように、リアルタイムで若き日々を生きている世代との些細な
会話のなかにも、居心地の悪さを感じるのは、ひょっとしたらそのせいかも
しれない。

数日前、某国営放送から聴こえてきた川柳
「出来るかな? 老人会に 青年部」

by don-viajero | 2013-03-05 21:54 | エッセー | Comments(0)


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