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陽気なイエスタデイ

donviajero.exblog.jp
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2007年 07月 01日

もう十年近く前になるだろうか?
人間ドッグで医者から言われた。
「貴方は一般的な日本人より、アルコール分解酵素・ALDH2の
 数値が高いので、いくらでもお酒が飲めます」
更に、こうも付け加えた。
「だからと言って、たくさん飲み続けると、肝臓が壊れますから
 気をつけて下さい」

学生時代、必ず一升瓶を二人で二本は空けてしまう酒友がいた。
夜を徹して語り‥‥飲み続ける‥‥。
決まって銘柄は『剣菱』。
当時、人口に膾炙するのはなるほど頷ける味だった。
最高に飲み明かした時は、三本目がほんの少し残っただけという
飲ん兵衛同士だった。

最近は、とんと日本酒は飲まない。
ある時期から甘さが気になるようになった。
ただし、大吟醸だけは拒まない。贅沢な舌である。
そう、あれは単なる日本酒ではない。
-こう断言すると日本酒党の人に失礼かな?-
日本酒の高級ワインだと思っている。
もっぱらビール党になってしまった。

酔も回れば出てくる口上がある。
今でも諳んじることができる。
-風紀名門の子女に恋するを純情の恋と誰が云う
 路頭に彷徨う女性に恋するを不浄の恋と誰が云う
 雨降らば雨降るよし、風吹かば風吹くよし
 月下の酒場で媚を売る女性にも睡蓮の如き純情あり
 酒は飲むべし百薬の長、女抱くべし人生無常の快楽あり
 妖娼美人の膝枕、一夜明ければ金もなければ、また夢も無し
 流れる汗にザイルを結び、悴む腕にピッケル抱え
 我等山行く渡り鳥、明日の命ぞ誰が知る
 いざや唱わん‥‥-
‥‥の箇所は『ダンチョネ節』か『信濃恋歌』だった。

この口上が出てくるような飲み会をやったのは、
一体、何時だったろうか?
何時の日か、旧い山の仲間との酒宴を設ければ、
きっと、飛び出すことだろう。
いまでは、酔えばすぐに眠くなってしまう私だが‥‥。

by don-viajero | 2007-07-01 18:43 | エッセー | Comments(0)


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