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陽気なイエスタデイ

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2007年 07月 09日

旅 -モロッコⅡ-

パリ・オルリー空港を飛び立って、
ジブラルタル上空に差し掛かった時は快晴。
遥か眼下の洋上を走る船までがよく見える。
世界地図で見たアフリカ大陸がそのまま横たわっていた。

空港から白い街・カサブランカの市内まで、
国営バスで向かった私が見たものは、
黒い排気ガスを振りまいて走る多くのオンボロ車。
なかには、パジェロの最新車種も走ってはいたが‥‥。
そして、ロバに一杯の荷を付け、その背に跨った老人だった。
この瞬間
―楽しい旅になるぞぉ!―
と直感したのだ。

赤い街・マラケシュのジャマ・エル・フナ広場での
様々な大道芸に興奮。
夕刻、アッザーン*1)の合図とともに屋台街へと変身。
夜の帳が下りる頃には、食欲をそそる、そこかしこから
立ち上るカバブの香ばしい煙。
その広場を見下ろすホテルの屋上でミントティを飲みながら、
一年前、南米を旅してきたという日本人青年との会話。
―次はマチュ・ピチュだな!―
と漠然と想いを馳せた時間。

どこまでも、延々と続く赤い砂の山。サハラ。
サハラ砂漠をStanding Aloneで迎えたSunrise。
何一つ人間の痕跡が見当たらない、
巨大な砂山を前にして、まるで子供のように裸足になって、
風紋が残る砂を壊しながら走り回る。
うれしさのあまり笑いまでがこみ上げてくる。
そんな無邪気な自分がいた。

世界最大の迷路。
中世に引きずり込まれたフェズの街。
車も通れない細い路地を行き交うジュラバを着込んだ男たち。
華やかなカフタンを纏った太り気味のおばさんたち。
ロバに跨り悠然と通り過ぎる行商人。
道の両側には賑やかなスークがいくつも並ぶ。
ずっと昔から変わらぬ光景なのだろう。

カサブランカに戻り、某高級ホテルのロビー。
リックス・カフェ・アメリカンを再現した、
その名もバー・カサブランカ。
粋なトレンチコートに身を包み、黒いソフト帽を被った
ウエィター『リック』が運んできたよく冷えたビール。
ピアノマンのサムが弾く音楽が今にも聞こえてきそうだ。
―だったら、イルザは?―
と辺りを見回しても、らしき人影があるはずもないか!

毎日が新鮮で、感激した非日常的な出会いがあった。
「サバ」
と声をかければ、
「サバ」
と笑顔で気軽に答えてくれる子供たち。
私はすっかり『旅』という病に冒されてしまった。

最後にもう一言付け加えよう。
"Here's looking at you, kid!"‥‥「君の瞳に乾杯!」
こんな歯の浮くようなセリフを生涯一度、
使ってみたかったなぁ!

カッコ良過ぎるぜ!ボギー!

*1)アッザーン‥拡声器から流れてくる時刻を知らせる呼びかけ
        「アッラ~~アクバ~~ル~~」から始まる。

by don-viajero | 2007-07-09 20:49 | Maroc | Comments(0)


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