2007年 08月 19日
先日、毎年この時期にやっている小学校の同級会に出席した。 数年前、初めて参加した。会場が鮨屋というだけで‥‥。 同級会というものは、とりあえずそこそこに幸福な生活を 送っている者たちだけが集まってくるところだろう。 卒業して40年以上もご無沙汰していても、同じ町うちのことである。 それなりの噂は耳にするし、偶然逢ったりもする。 年に一回は酒を酌み交わす級友もいる。 同じ年、似たような境遇‥‥。 もちろん一人一人みんなちがっているけれど‥‥。 それぞれの人生を垣間見ることができるかもしれない‥‥。 そんな思いも相まって行ってみた。 私を含めて男性六人、女性七人。それに二年、三年時の恩師 N先生と四年から六年までの恩師H先生が席を共にした。 用事があるというN先生は一時間も経たないうちに席を立ち、 隣町の教育長を務めたのを最後に公職を退いたH先生が残り、 めっきりと年を取ったが持ち前の謹厳実直さで それぞれに相対している。 -昔からそうだったな‥‥そこが嫌いなんだよ- 往年の癖は年齢を重ねるにつれ、さらに顕著になったようだ。 酒量も進み、大声で語り合っている時だ。一人の女性が 前に座っているH君を名指しで非難し始めた。 まるで何かを問い詰めている。明らかな「いじめ」。 その行為そのものに異論はなかったのだが、 -クラスの中でも目立たず、おとなしかったあのT子ちゃんが‥- 私は唖然として、聞き耳を立てていた。 それ以来時を経て、昨年、今年と続けて出席した。 昨年、居合わせたT子さんにあの話題を振り向けたかったのだが、 言いそびれてしまった。 -今年こそは、彼女の変貌の生い立ちを聞いてみよう- 勇んで行ったのだが、あいにく彼女は欠席。 しかし、こんなことを聞いた。 「T子さんの旦那さんって刑事なのよ」 翌日、夢を見た。 薄暗い取調室でT子刑事に激しく締め上げられているH君の‥‥。 もちろん、H君はその後出席したことはないそうだ‥‥。
by don-viajero
| 2007-08-19 07:54
| エッセー
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Comments(2)
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蚊取奴
at 2007-08-19 10:54
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「同級会」というのは信州で初めて聞いた言葉です。
入学から卒業まで同じクラスというのも驚きでした。 最近では途中でクラス替えが行われるようですが、 そうなると「同級会」もややこしくなりそうですね。
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DON VIAJERO
at 2007-08-19 18:55
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あの時代、もし、今のようなクラス替えがあったら、
それぞれの人生にひょっとしたらまったくちがったものが 生まれていたかも? 個体のクローンはできても、時代やそれを取巻く環境が ちがうんだから、決して同じ顔、同じ遺伝子を備えた者でも、 まったくちがった人生になるんじゃないですか? そう考えれば人生って不思議ですね! このこと『分かれ道』に関しては、再度投稿したいと 思っています。 |
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