陽気なイエスタデイ

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2009年 09月 27日 ( 1 )


2009年 09月 27日

アンニュイな午後

「天高く 馬肥ゆる秋」
大気が澄んで空が高く感じられ、
馬はよく食べて逞しくなる。
今日では、心身とも爽やかで気持ちがよく、
食欲が進むといった意味で使われている。
しかしこの言葉は、もともとは単に秋の好事説や、
食欲のことをいったものではなかった。

その昔、北方に住む中国人はこの時季になると、
しばしば北方民族(匈奴)の襲撃にあった。
春から夏にかけて草をたっぷり食べて、
肥えて逞しくなった馬に乗り、冬の糧(かて)を
求めて侵入してきた。
空が高く澄み渡る季節になった、またそろそろ
あの匈奴が肥えた馬に乗って襲ってくる、
注意を怠るべからず。これが本来の意味だ。
彼らにとって、まさに憂鬱なときなのだ。

食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋‥‥。
様々に形容される秋ではあるが、どうもおかしい‥‥。
空には刷毛で掃いたような爽やかな巻雲が
気持ち良さそうに浮かんでいるというのに‥‥。

机の上には読みかけの長編小説が二冊、洋書の短編小説、
一話完結の時代物の文庫本、その作者のエッセー集、
数ヶ月前からのナショジオが数冊‥‥。
そして旅情をくすぐる季刊誌『旅学』。
「人生が旅だというのなら、僕らは旅で人生を学ぶのだ」の
謳い文句に魅せられて購入した。
それらが無造作に積み重ねれている。

本を開く気力?さえ失せてしまっている‥‥。
まるで、その昔匈奴に怯える日々を過ごしていた亡霊たちに
捕われてしまったかのようだ。

いえいえ、午後がアンニュイなのではなく、
今日は、私がアンニュイなのだろう‥‥。

by don-viajero | 2009-09-27 13:08 | エッセー | Comments(2)